東工大数学'05年前期[3]
Dを半径1の円盤、Cをxy平面の原点を中心とする半径1の円周とする。Dがつぎの条件(a),(b)を共に満たしながらxyz空間内を動くとき、Dが通過する部分の体積を求めよ。
(a) Dの中心はC上にある。
(b) Dが乗っている平面は常にベクトルと直交する。
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解答 形状がつかみにくい立体の体積を求める問題では、無理に立体の形状を追求せず、ある軸に垂直な平面で立体を切ってその断面積を考え、断面積を軸に沿って積分します。
この問題では、z軸に垂直に立体Kを切るのが素朴で取っつきやすいでしょう。
円板の中心がPにあるとき、条件(b)より、円板は平面 ・・・@ 上にあって、これをzx平面上までy軸と平行に平行移動させると、円: ・・・A になります。
ところで、Dの通過する部分にできる立体Kはxy平面、yz平面、zx平面に関して対称なので、,,の部分のKの体積を考えて、8倍することにします。
上記θ をの範囲で考え、立体Kをz軸に垂直な平面()で切ったときの切り口を考えます。
まず、Pに中心がある円盤Dを平面で切ってみます。
Aでとして、
∴ ・・・B
これより、切り口は、両端を,とする線分です。この線分の長さは (kにのみ依存し、θ には依存しない)で、その中点は、円Cを平面上にまで平行移動させた円周上にあります。結局、円盤Dを平面で切った切り口をxy平面上まで平行移動させると、右図斜線部のようになります。
右図の円弧EIは、円Cの,の部分です。
Bでとすると、 (∵ 第1象限で考えている)より、,@より、このとき、()
つまり、右図の点Dはです。
@でとすると、,Bより、このとき、
つまり、右図の点Aは,点Jはです。
@でとすると、,Bより、このとき、
つまり、右図の点Bは,点Fはです。
斜線部の境界線の弧ADは、xy平面上の円C上を点Pがとなるように動くとき、Pをx軸負方向にだけ平行移動させた点の描く曲線なので、Cを中心とする半径1の円弧です。同様に、右図の弧FJは円弧EIをx軸正方向にだけ平行移動させた曲線で、Hを中心とする半径1の円弧です。
また、とおくと、
・・・C ,
断面積、即ち、右図斜線部の面積は、扇形HFJの面積(扇形OEIの面積)、長方形OEFHの面積の和から、x軸y軸円弧ADで囲まれる面積(扇形CADの面積から三角形CODの面積を除いたもの)を引いたものになります。
扇形OEIの面積は、半径1の円の面積ので,長方形OEFHの面積は,扇形CADの面積は
三角形CODの面積は
∴ ・・・D
求める体積Vは、
Dのφ を含む項は、kで積分することができないので、Cより、とおいて置換積分します。
,,k:のとき、φ:
よって、
は、とおくと、より、半径1の円の面積のに等しく、
は、とおくと、,,φ:
∴ ......[答]
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