東工大数学'06年前期[3]

平面上を半径13個の円板が下記の条件(a)(b)を満たしながら動くとき、これら3個の円板の和集合の面積Sの最大値を求めよ。
(a) 3個の円板の中心はいずれも定点Pを中心とする半径1の円周上にある。
(b) 3個の円板すべてが共有する点はPのみである。


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解答 なお、三角形の面積集合2円の位置関係三角関数を参照してください。

条件
(b)より、3個の円板すべてが共有する部分の面積は0です。
従って、
3個の円板の位置関係は右図1のようになっていて、3個のうち2個をとってくると共有する部分の面積は正です。
2個の円板が共有する部分の面積は、右図2のように角θ をとると、扇形OABの面積(扇形の面積については、一般角を参照)から三角形OABの面積を引いて2倍することにより、
 ・・・@

ところで、3個の円の中心をCDEとして、右図1のように、とします。仮に、だとすると、DEは直線CPの同じ側に来ますが、このとき、(b)の条件が満たされなくなります。よって、です。同様に、です。四角形CPDQと四角形CPERはひし形で、
@において、として、
Cを中心とする円とDを中心とする円の共有部分の面積は、
@において、として、Cを中心とする円とEを中心とする円の共有部分の面積は、
,四角形DPESはひし形で、
@において、とおいて、
Dを中心とする円とEを中心とする円の共有部分の面積は、
よって、3個の円板の和集合の面積Sは、3個の円の面積より、2個づつ共有されている部分の面積を除いて、

 ・・・A
ここで、を固定し()を、の範囲で動かすと、より、Sが最大となるのは、,つまり、のとき。このとき、

 (微分の公式を参照)
 (2倍角の公式を参照)
とすると、

のとき、
α0

π
00
S
増減表より、Sの最大値は、のとき、 ......[]

Aでトリッキーなことをやっているように見えますが、αβ 2変数の関数Sの最大最小を考えるときの常套手段です。
2変数のうちの一つを固定し他方を動かして、最大・最小を、最初に固定した変数の関数の形に表しておき、さらに、最初に固定した変数を動かして、最大値の最大値、最小値の最小値を求めるのが普通ですが、ここでは、Sαβ に関して対称な形をしているので、のときに最大になるだろうと予測をつけて、をひねり出すようにします。2変数関数のように考え、まず、を固定してを動かす、というように考えています。


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