東工大数学'23年前期[5]

xyz空間の4ABCDを考える。

(1) 2直線ABBCから等距離にある点全体のなす図形を求めよ。
(2) 4直線ABBCCDDAに共に接する球面の中心と半径の組をすべて求めよ。

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解答 (1)は、2直線ABBCのベクトル方程式を作り、直線AB上の点ととの距離と、直線BC上の点ととの距離とが等しい、として式を立てると失敗します。「直線上のある1点と点との距離」と、「点と直線との距離」は別物です。また試験会場では、(1)を要領よく仕上げないと、(2)(1)をさらに2回繰り返すことになるので時間が足りなくなります。

(1) ,求める図形上の点をPとします。点Pと直線ABとの距離は、点Pから直線ABに垂線AQを下ろすとき線分AQ長さです。点Pを通りに垂直な平面Πと直線ABとの交点をQとしてAQの長さと言うこともできます。は平面Πの法線ベクトルです。
とおくと、Qは直線AB上の点なので、kを実数として、
 ・・・@
とおくことができます。平面の方程式を作るときと同様に、平面Π上のベクトルが法線ベクトルと直交することから、
@を代入すると、
 ∴  ・・・A
注.これは、上への正射影であることを意味しています。最初から、正射影であるとして解答すれば効率的です。
2直線ABBCから等距離にある点」を考えるので、点Pと直線ABとの距離を考えます。Aより、

 ・・・B
ここで、改めてとし、Pから直線BAに垂線Pから直線BCに垂線を下ろすと、Bより、
 ・・・C
Pと、直線AB,直線BCとの距離が等しいので、より、
 ∴  ・・・D
注.これは、ということです。△と△において、BP共通、より、△≡△が言えるので、ここから、とすれば、上記よりも効率的にDが得られます。
となるので、

 ・・・E

Dに代入すると、
複号の+をとると、 ∴  ・・・F
複号の−をとると、 ∴
 ・・・G
これらは、平面を表します。 平面と平面
......[]

(2) 4直線ABBCCDDAに共に接する球面の中心は、4直線との距離がすべて等しくなる点です。(1)2直線ABBCとの距離が等しい点がなす図形(平面、とします)を求めたので、(1)と同様にして、2直線BCCDとの距離が等しい点がなす平面2直線CDDAとの距離が等しい点がなす平面、を求めて、3平面の交点を求めることになります。
(1)を上記のようにすんなり求めるのは容易ではありませんが、(1)を手間をかけて求めたとしても、面倒な手順をあと2回繰り返すことになるので、(1)の解き方をよく見直して、平面,平面については、Dを用いて効率よく求める必要があります。

平面上の点
Pについて、2直線BCCDとの距離を考えるので、Dで、BCABCDPから直線CBに垂線Pから直線CDに垂線を下ろすとして、
となるので、

 ・・・H

Dに代入すると、
複号の+をとると、 ∴  ・・・I
複号の−をとると、 ∴
 ・・・J

平面上の点
Pについて、2直線CDDAとの距離を考えるので、Dで、BDACCAPから直線DCに垂線Pから直線DAに垂線を下ろすとして、
となるので、

 ・・・K

Dに代入すると、
複号の+をとると、 ∴  ・・・L
複号の−をとると、 ∴
 ・・・M

ここで、平面,平面,平面の交点
(4直線と等距離にある点、つまり球面の中心)を求めることになりますが、平面はFまたはG,平面はIまたはJ,平面はLまたはMなので、球面の中心は、
FとIとLの交点、FとIとMの交点、FとJとLの交点、FとJとMの交点
GとIとLの交点、GとIとMの交点、GとJとLの交点、GとJとMの交点
8通りあります。その各々についてCを用いて、を求めれば球面の半径が求められるわけですが、Cに出てくる、を求める式として、E,H,Kの中で、最も簡単なK:を使うことにします。中心の座標に対して、Kでは、なので、半径の2乗は、
となり、を使って半径を求めます。
・F:と、I:より、
L:のとき、
M:のとき、
・Fと、J:より、
Lのとき、
Mのとき、
・G:と、Iより、
Lのとき、
Mのとき、
・G−Jより、
Lのとき、
Mのとき、
以上より、球面の中心と半径は、
中心:,半径:
中心:
(複号同順),半径:
中心:
(複号同順),半径:
中心:
(複号同順),半径: ......[]

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