東大理系数学'09前期[1]

自然数に対し、個の二項係数
,・・・,
を考え、これらすべての最大公約数をとする。すなわちはこれらすべてを割り切る最大の自然数である。
(1) mが素数ならば、であることを示せ。
(2) すべての自然数kに対し、で割り切れることを、kに関する数学的帰納法によって示せ。
(3) mが偶数のとき1または2であることを示せ。


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解答 京大理系'97年前期[2](異なる素数pqに対し、として、 ()の最大公約数が1であることを示す問題。に着眼する)と同様の発想「に着眼」をすれば、(1)はすぐです。
(2)は、kに関する数学的帰納法であって、mに関する数学的帰納法ではないので注意してください。
なお、
整数を参照してください。

(1) mが素数のとき、として、の分子は素数mを含み、分母は素数mを含まないので、は、すべてmで割り切れます。
一方、は素数なので、1m以外の約数をもちません。
よって、
()の最大公約数は、です。

(2) (T) のとき、で割り切れるので、成り立ちます。
(U) のとき成り立つとすると、で割り切れるので、pを整数として、
 ・・・@
とおくことができます。
二項定理より、
 ・・・A
ここで、 ()の最大公約数がであって、はすべての倍数なので、rを整数として、
 ・・・B
とおくことができます。これと@を用いてAを、
と書き直すことができます。

これより、で割り切れるので、のときにも成り立ちます。
(T)(U)より、すべての自然数kに対し、で割り切れることが示されました(数学的帰納法を参照)

(3) (2)と同様に考えます。二項定理より、
とすると、mは偶数なので、
 ・・・C
()の最大公約数がであって、はすべての倍数なので、sを整数として、
とおくことができます。これとCより、
これより、2の正の約数で、12に限られます。


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