東大理系数学'11年前期[2]
実数xの小数部分を、
かつ
が整数となる実数yのこととし、これを記号
で表す。実数aに対して、無限数列
の各項
(
)を次のように順次定める。
(i) 
(ii) 
(1)
のとき、数列
を求めよ。 (2) 任意の自然数nに対して
となるような
以上の実数aをすべて求めよ。 (3) aが有理数であるとする。aを整数pと自然数qを用いて
と表すとき、q以上のすべての自然数nに対して、
であることを示せ。
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解答 とっつきにくそうな問題ですが、手を付けてみればそれほどでもない、という問題です。(3)は割り算の余りを使って考えます。なお、整数を参照してください。
(1)
より、
(ii)で
として、
より、
であれば、
これより、すべての自然数nについて、
(2) (1)の
がaの1つの候補です。
・・・@
のとき、
ですが、(ii)より、pを整数として、
とすると、
,よって、 ∴ 
・・・A
より
なので、@より、Aの複号は+をとり、
・・・Bまた、@より、

・・・C左側の不等号より、
これより、
となりますが、これを満たす整数pは、
Bで
として、
これより、
Bで
として、
これは、(1)より条件を満たします。
以上より、
......[答] aの2次方程式
は、
より、正の解と負の解をもちます。正の解が
の範囲に存在するために、
かつ
∴ 
という条件がなければ、Bで、
となるすべての実数aを与えます。
(3) pをqで割るときの商をk (k:整数),余りをj (
)とします。
です。
なので、
(i)より、
ここで、
ならば(
であったとしても)、
,(ii)より、以降、
特に、
なら
,
となります。
以後
として、
ならば、
を
で割るときの商をm (m:整数),余りを
(
)とします。
です。
なので、
以降、
のとき、
として、
ここで、
であれば(
であったとしても)、
,(ii)より、以降、
特に、
なら
となり、
,
となります。
かつ
かつ・・・かつ
であれば、
を
で割るときの商を
(
:整数),余りを
(
)とします。
です。
,
,・・・,
,qはいずれも0以上の整数なので、
であれば、
,
以降、
以上より、q以上のすべての自然数nに対して、
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