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早大理工数学
08
年前期
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早大理工数学
'08
年
[2]
自然数
m
,
n
に対して
を
で定める。以下の問に答えよ。
(1)
をみたす
m
,
n
を
1
組求めよ。
(2)
a
,
b
,
c
,
d
は整数で、等式
をみたすとする。不等式
,
が成り立つならば、
,
となることを示せ。
(3)
任意の自然数
k
に対し、
をみたす
m
,
n
がただ
1
組だけ存在することを示せ。
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解答
私は意地の悪い人間なので、私なら、
(1)
は、
にしますが、難問というわけでもなく、それでいて、実験をさせながらメカニズムを発見させ、論理的構想力も見ようという問題で、私は、良問だと思います。なお、
整数
を参照してください。
(1)
ここで、平方数:
が
200
から大きく異なると、
が大きく、つまり、
m
,
n
の差が大きくなり、
m
,
n
のどちらかが大きな自然数になってしまい、平方数:
がさらに大きな値になってしまって、等式を満たしにくくなる、ということに、まず、気づかないといけません。
このことに気づけず、機械的に小さい方、
m
=
n
=
1
から代入していくのであれば、時間的に大きくロスをすることになります。
従って、
が
200
に近いものから、候補を順次代入していくべきです。
m
=
n
=
1
からではない
、というところがこの問題のよく工夫されている点です。
200
に一番近い平方数は、
です。そこで、
,
つまり、
,
とすると、
となり、条件を満たすので、
,
......[
答
]
(2)
・・・@
より、
問題文に与えられている条件:
・・・A
・・・B
A−Bより、
(
不等式の証明
を参照
)
∴
Aより、
,つまり、
です。また、Bより、
です。従って、
(
)
で各辺を割ると、
は整数なので、
@より、
(3)
まず、任意の自然数
k
に対し、
,つまり、
として、
,
となる整数
が見つかったとします。
この
2
式を連立して
m
,
n
について解くと、
,
,
は連続
2
整数の積なので偶数であって、
,
は整数です。従って、
m
,
n
は整数です。ここで、
,
であるためには、
,
でなければなりません。
2
番目の方の不等式は、
k
,
が整数であることから、
と同値で、結局、
・・・C
が満たされればよいことになります。従って、
m
,
n
が少なくとも
1
組存在することを言うためには、Cを満たす
が存在することを言えばよいことになります。
Cの左の不等号から、
∴
・・・D
Cの右の不等号から、
∴
,
・・・E
D
かつ
Eより、
を自然数とすれば、
・・・F
この区間の幅は
1
なのでFをみたす自然数は必ず存在します。
結局、証明のストーリーは以下のようになります。
任意の自然数
k
に対して、
より、
・・・F
を満たす自然数
が必ず存在します。
Fの左の不等号より、
両辺を
2
乗して、
∴
Fの右の不等号より、
2
乗して整理すると、
従って、任意の自然数
k
に対して、
を満たす自然数
が必ず存在します。このとき、
,
とおけば、
,
を満たします。
次に、任意の自然数
k
に対し、
2
組の自然数
m
,
n
と
,
を持ってきたときに、
つまり、
とします。
,
,
,
とおくと、@を満たします。
m
,
n
は自然数なので、
∴
全く同様にして、
よって、A,Bも満たされるので、
(2)
より、
,
つまり、
∴
,
よって、任意の自然数
k
に対し、
をみたす
m
,
n
がただ
1
組だけ存在します。
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