早大理工数学'10年[5]
表の出る確率がp (),裏の出る確率がの硬貨が1枚ある。nを自然数とする。この硬貨を回投げたとき、表が回以上出る確率をとする。以下の問いに答えよ。
(1) ,を求めよ。 (2) となるpの範囲を求めよ。 (3) となるa,bをnを用いて表せ。ただしa,bはpを含まないとする。 (4) のとき、を最大にするnを求めよ。
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解答 かつて確率の難問を出題していた早大理工の面目躍如、興味深い新傾向問題です。
(1) のとき、硬貨を2回投げて、表が2回以上出る確率は、 のとき、硬貨を4回投げて、表が3回以上出る確率は、表が3回出る確率が,表が4回出る確率が,よって、 のとき、硬貨を6回投げて、表が4回以上出る確率は、表が4回出る確率が,表が5回出る確率が,表が6回出る確率が,よって、 ......[答]
(2) (1)の結果を用いて、
・・・@ より、 ......[答]
(3) 硬貨を回投げたとき、表が回以上出る確率は、表が回出る確率、表が回出る確率、・・・、表が回出る確率を加え合わせて、 と表せますが、これを一般的にpの整式で表すのは困難です。そこで、(1)の結果を使って予測してみます。
これより、のとき、,です。
これだけでは、一般的なnについて予測するのは難しいですが、仮に無理をしてを、 として計算し、
より、のとき、,と求めてみても、不可能というわけではありませんが、やはり予測するのは厳しいでしょう。仮に予測できたとして、数学的帰納法でどう示すか、ということも課題になります。
数学的帰納法の枠組みに乗せるためには、の場合からの場合へどうつなげるか、ということを考える必要があります。そのためにとのつながりを考えてみます。
は硬貨を回投げて回以上表が出る(以下、これを「成功」と言うことにします)確率ですが、回投げて回以上表が出ると、回投げても「成功」は約束されています。ということは、からを引くと、のうちの回以上表が出る確率は消し合うことになります。ですが、回投げて回表が出た場合でも、続く2回のどちらか、あるいは、2回とも表が出れば回投げて「成功」できます。さらに言えば、回投げて「成功」できなかった場合でも、n回表が出ていれば、続く2回のどちらも表であれば、回投げて「成功」できます。
ここで整理します。硬貨を回投げて、表がn回出る事象を「事象A」,表が回出る事象を「事象B」,表が回以上出る事象を「事象C」とし、事象A,事象B,事象Cが起こる確率を,,とすると、
硬貨を回投げて成功するのは、事象B,事象Cが起きた場合で、その確率について、 硬貨を回投げて成功するのは、事象Aが起きてかつ続く2回のどちらも表が出た場合と、事象Bが起きてかつ続く2回のどちらか、あるいは、2回とも表が出る場合と、事象Cが起きた場合で、その確率について、 これより、
・・・A ところで、事象Aが起こる確率は、 事象Bが起こる確率は、 Aに代入して、
これで、数学的帰納法を使うことなく、a,bが求められました。
, ......[答]
(4) のとき、
これより、,即ち、のとき、
,即ち、のとき、
∴ よって、を最大にするnは、 ......[答]
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