ボーアの原子模型 関連問題
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ボーア(Niels Bohr)は1913年に、原子モデルに関する論文を発表しました。
高校物理の現行教科書では、角運動量が範囲外のため、ド・ブロイの公式:
からボーアの原子模型を導くようになっていますが、歴史的には、ボーアの原子モデルに合うように、ド・ブロイが1924年に物質波の概念を提唱、という逆の順序になっています。
当時、水素原子から出てくる光の波長λの観測データについて、
を
となる自然数として、
(
はリュードベリ定数と呼ばれる定数) ・・・@ という関係式(リュードベリの式と呼ばれます)が成り立つことが知られていましたが、この関係式は、当時知られていた原子モデルでは説明ができませんでした。
ボーアは水素原子核の回りを回る電子の円運動について、2つの条件をつけることにより、@が説明できることを示しました。
(i) ボーアの量子条件:電子の運動には定常状態が存在して、定常状態にある電子は電磁波を放出せず、角運動量(面積速度を参照)がプランク定数
の整数倍の値をとる。 (ii) 電子はとびとびの値のエネルギーを持っていて、あるエネルギーから別のエネルギーの状態に移るときに、その差のエネルギーを持つ光子を放出する。
電子の質量をm,円運動する電子の速さをv,円運動の半径をrとすると、電子の角運動量の大きさは
となります。(i)の条件は、
(nは自然数) この条件を、後にド・ブロイが物質波という概念を導入して、電子の波長
(ド・ブロイの公式を参照)は円周上で定常波となるような値をとる、つまり、
(nは自然数) ・・・A と言い換えました。現行の高校物理の教科書では、これが採用されています。
電子の電荷を
,クーロンの比例定数を
として、電荷eを持つ原子核と電子の間に働くクーロン力(引力)の大きさは
です。電子が原子核の回りを等速円運動しているとして、運動方程式は、
・・・B 両辺にmをかけて変形すると、
Aより、
よって、
∴
・・・C 電子のエネルギー
は、Bより
なので、
Cを代入して、
(ii)より、
光子のエネルギーについて
より、
この式を@と比較して、
となり、リュードベリ定数Rと一致する値になります。
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