筑波大物理'08年[1]
図のように水平な床に置かれた発射台を考える。この発射台は、一定のエネルギー
を瞬時に小球と発射台の運動エネルギーに変換することで小球を発射できる。この小球は大きさが無視でき、質量mをもつ。小球を含まない発射台の質量をMとする。床と発射台の間には摩擦がなく、発射台は床の上の直線上を自由に動くことができる。この直線をx軸とし、x軸に垂直で鉛直上向きをy軸とする。この小球の発射方向はx-y面内で動かすことができ、発射方向とx軸正方向のなす角θ は
の範囲で調整することができる。小球は床の高さから発射されるとしてよい。重力加速度は鉛直下向きでその大きさをgとする。また、空気抵抗、小球発射前後での
にかかわる質量変化はないものとする。
以下、
の位置で静止している発射台から小球を発射する場合を考える。
問1 小球発射直後の小球と発射台の速度をそれぞれ
，
とするとき、小球発射前後でのエネルギー保存、水平方向の運動量保存を表す式を示せ。 問2 発車直後の小球の速度の水平(x)成分
，垂直(y)成分
をm，M，
，θ を用いて表せ。 問3 発射直後の小球の発射台に対する相対速度の大きさをm，M，
，θ を用いて表せ。 問4 発射された小球が床に最初に落ちる位置
をg，m，M，
，θ を用いて表せ。 問5 
を最大にするための角度θ は
より大きいか小さいかを理由とともに示せ。
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解答 問5でちょっと数学が混じりますが、それ以外は、運動量保存を除いてセンター試験練習用問題です。
問1 発射前のエネルギーは
，発射後のエネルギーは、小球の運動エネルギーが
，発射台の運動エネルギーが
，発射前後でのエネルギー保存： 
......[答] ･･･①水平方向の運動量は、発射前は0，発射後は、小球が
，発射台が
，発射前後の水平方向の運動量保存： 
......[答] ･･･②
問2 ②より、
①に代入すると、
∴ 
......[答]
......[答]
問3 相対速度のx成分は、
，y成分は
，その大きさは、 
......[答]
問4 小球が最初に床に落ちるまでの時間をtとして、小球は、
x方向は速度
で等速度運動するので、 
･･･③∴ 
③に代入して、
問5 問4の結果で、
とおくと、
はθに関して
に従って変化します。 
とすると、
これを満たすθ を
とすると、
より、
，
増減表より(関数の増減を参照)、
を最大にするための角度θ は
より大きい。 ......[答]
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