大学入学共通テスト数学IA 2021年問題 


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[1][1] cを正の整数とする。x2次方程式
 ・・・@
について考える。
(1) のとき、@の左辺を因数分解すると
であるから、@の解は
である。
(2) のとき、@の解は
であり、大きい方の解をαとすると
である。また、を満たす整数mである。
(3) 太郎さんと花子さんは、@の解について考察している。

太郎:@の解はcの値によって、ともに有理数である場合もあれば、ともに無理数である場合もあるね。cがどのような値のときに、解は有理数になるのかな。
花子:2次方程式の解の公式の根号の中に着目すればいいんじゃないかな。

@の解が異なる二つの有理数であるような正の整数cの個数は個である。

[2] 右の図のように、△ABCの外側に辺ABBCCAをそれぞれ1辺とする正方形ADEBBFGCCHIAをかき、2EFGHIDをそれぞれ線分で結んだ図形を考える。以下において

とする。
(1) のとき、であり、△ABCの面積は,△AIDの面積はである。
(2) 正方形BFGCCHIAADEBの面積をそれぞれとする。このとき、は、
のとき、
のとき、
のとき、
の解答群(同じものを繰り返し選んでよい。)
 0である。
 正の値である。
 負の値である。
 正の値も負の値もとる。
(3) AID,△BEF,△CGHの面積をそれぞれとする。このとき、である。
の解答群
 ならば、
 ならば、
 Aが鈍角ならば、かつ
 abcの値に関係なく、
(4) △ABC,△AID,△BEF,△CGHのうち、外接円の半径が最も小さいものを求める。
のとき、IDBCであり
(AIDの外接円の半径)(ABCの外接円の半径)
であるから、外接円の半径が最も小さい三角形は
のとき、である。
のとき、である。
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
 <    =    >
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
 △ABC   AID   △BEF   △CGH
[解答へ]


[2][1] 陸上競技の短距離100m走では、100mを走るのにかかる時間(以下、タイムと呼ぶ)は、1歩あたりの進む距離(以下、ストライドと呼ぶ)1秒あたりの歩数(以下、ピッチと呼ぶ)に関係がある。ストライドとピッチはそれぞれ以下の式で与えられる。

ただし、100mを走るのにかかった歩数は、最後の1歩がゴールラインをまたぐこともあるので、小数で表される。以下、単位は必要のない限り省略する。
例えば、タイムが
10.81で、そのときの歩数が48.5であったとき、ストライドはより約2.06,ピッチはより約4.49である。
なお、小数の形で解答する場合は、解答上の注意にあるように、指定された桁数の一つ下の桁を四捨五入して答えよ。また、必要に応じて、指定された桁までにマークせよ。
(1) ストライドをx,ピッチをzとおく。ピッチは1秒あたりの歩数、ストライドは1歩あたりの進む距離なので、1秒あたりの進む距離すなわち平均速度は、xzを用いて(m/)と表される。
これより、タイムと、ストライド、ピッチとの関係は
 ・・・@
と表されるので、が最大になるときにタイムが最もよくなる。ただし、タイムがよくなるとは、タイムの値が小さくなることである。
の解答群
         
         
(2) 男子短距離100m走の選手である太郎さんは、@に着目して、タイムが最もよくなるストライドとピッチを考えることにした。
次の表は、太郎さんが練習で100m3回走ったときのストライドとピッチのデータである。

1回目2回目3回目
ストライド2.052.102.15
ピッチ4.704.604.50
また、ストライドとピッチにはそれぞれ限界がある。太郎さんの場合、ストライドの最大値は2.40,ピッチの最大値は4.80である。
太郎さんは、上の表から、ストライドが
0.05大きくなるとピッチが0.1小さくなるという関係があると考えて、ピッチがストライドの1次関数で表されると仮定した。このとき、ピッチzはストライドxを用いて
 ・・・A
と表される。
Aが太郎さんのストライドの最大値
2.40とピッチの最大値4.80まで成り立つと仮定すると、xの値の範囲は次のようになる。
とおく。Aをに代入することにより、yxの関数として表すことができる。太郎さんのタイムが最もよくなるストライドとピッチを求めるためには、の範囲でyの値を最大にするxの値を見つければよい。このとき、yの値が最大になるのはのときである。
よって、太郎さんのタイムが最もよくなるのは、ストライドがのときであり、このとき、ピッチはである。また、このときの太郎さんのタイムは、@によりである。
については、最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。
 9.68    9.97    10.09
 10.33    10.42    10.55

[2] 就業者の従事する産業は、勤務する事業所の主な経済活動の種類によって、第1次産業(農業、林業と漁業)、第2次産業(鉱業、建設業と製造業)、第3次産業(前記以外の産業)の三つに分類される。国の労働状況の調査(国勢調査)では、47の都道府県別に第1次、第2次、第3次それぞれの産業ごとの就業者数が発表されている。ここでは都道府県別に、就業者数に対する各産業に就業する人数の割合を算出したものを、各産業の「就業者数割合」と呼ぶことにする。
(1) 1は、1975年度から2010年度まで5年ごとの8個の年度(それぞれを時点という)における都道府県別の三つの産業の就業者数割合を箱ひげ図で表したものである。各時点の箱ひげ図は、それぞれ上から順に第1次産業、第2次産業、第3次産業のものである。

次ののうち、図1から読み取れることとして正しくないものである。
の解答群
(解答の順は問わない。)
 第1次産業の就業者割合の四分位範囲は、2000年度までは、後の時点になるにしたがって減少している。
 第1次産業の就業者割合について、左側のひげの長さと右側のひげの長さを比較すると、どの時点においても左側の方が長い。
 第2次産業の就業者数割合の中央値は、1990年度以降、後の時代になるにしたがって減少している。
 第2次産業の就業者数割合の第1四分位数は、後の時点になるにしたがって減少している。
 第3次産業の就業者数割合の第3四分位数は、後の時点になるにしたがって増加している。
 第3次産業の就業者数割合の最小値は、後の時点になるにしたがって増加している。
(2) (1)で取り上げた8時点の中から5時点を取り出して考える。各時点における都道府県別の、第1次産業と第3次産業の就業者数割合のヒスとグラムを一つのグラフにまとめてかいたものが、次ページの五つのグラフである。それぞれの右側の網掛けしたヒスとグラムが第3次産業のものである。なお、ヒスとグラムの各階級の区間は、左側の数値を含み、右側の数値を含まない。
1985年度におけるグラフはである。
1995年度におけるグラフはである。
については、最も適当なものを、次ののうちから一つずつ選べ、ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
(3) 三つの産業から二つずつを組み合わせて都道府県別の就業者数割合の散布図を作成した。図2の散布図群は、左から順に1975年度における第1次産業(横軸)と第2次産業(縦軸)の散布図、第2次産業(横軸)と第3次産業(縦軸)の散布図、および第3次産業(横軸)と第1次産業(縦軸)の散布図である。また、図3は同様に作成した2015年度の散布図群である。

下の(I)(II)(III)は、1975年度を基準としたときの、2015年度の変化を記述したものである。ただし、ここで「相関が強くなった」とは、相関係数の絶対値が大きくなったことを意味する。
(I) 都道府県別の第1次産業の就業者数割合と第2次産業の就業者数割合の間の相関は強くなった。
(II) 都道府県別の第2次産業の就業者数割合と第3次産業の就業者数割合の間の相関は強くなった。
(III) 都道府県別の第3次産業の就業者数割合と第1次産業の就業者数割合の間の相関は強くなった。
(I)(II)(III)の正誤の組み合わせとして正しいものはである。
の解答群

(I)
(II)
(III)
(4) 各都道府県の就業者数の内訳として男女別の就業者数も発表されている。そこで、就業者数に対する男性・女性の就業者数の割合をそれぞれ「男性の就業者数割合」、「女性の就業者数割合」と呼ぶことにし、これらを都道府県別に算出した。図4は、2015年度における都道府県別の、第1次産業の就業者数割合(横軸)と、男性の就業者数割合(縦軸)の散布図である。

各都道府県の、男性の就業者数と女性の就業者数を合計すると就業者数の全体となることに注意すると、2015年度における都道府県別の、第1次産業の就業者数割合(横軸)と、女性の就業者数割合(縦軸)の散布図はである。
については、最も適当なものを、下ののうちから一つ選べ。なお、設問の都合で各散布図の横軸と縦軸の目盛りは省略しているが、横軸は右方向、縦軸は上方向がそれぞれ正の方向である。
[解答へ]


[3] 中にくじが入っている箱が複数あり、各箱の外見は同じであるが、当たりくじを引く確率は異なっている。くじ引きの結果から、どの箱からくじを引いた可能性が高いかを、条件付き確率を用いて考えよう。
(1) 当たりくじを引く確率がである箱Aと、当たりくじを引く確率がである箱Bの二つの箱の場合を考える。
(i) 各箱で、くじを1本引いてはもとに戻す試行を3回繰り返したとき
Aにおいて、3回中ちょうど1回当たる確率は ・・・@
Bにおいて、3回中ちょうど1回当たる確率は ・・・A
である。
(ii) まず、ABのどちらか一方の箱をでたらめに選ぶ。次にその選んだ箱において、くじを1本引いてはもとに戻す試行を3回繰り返したところ、3回中ちょうど1回当たった。このとき、箱Aが選ばれる事象をA,箱Bが選ばれる事象をB3回中ちょうど1回当たる事象をWとすると
である。であるから、3回中ちょうど1回当たったとき、選んだ箱がAである条件付き確率となる。また、条件付き確率となる。
(2) (1)について、次の事実()が成り立つ。
事実()は、@の確率とAの確率のに等しい。
の解答群
 和   2乗の和   3乗の和   比   積
(3) 花子さんと太郎さんは事実()について話している。

花子:事実()はなぜ成り立つのかな?
太郎:を求めるのに必要なの計算で、@,Aの確立に同じ数をかけているからだよ。
花子:なるほどね。外見が同じ三つの箱の場合は、同じ数をかけることになるので、同様のことが成り立ちそうだね。

当たりくじを引く確率が、である箱Aである箱Bである箱Cの三つの箱の場合を考える。まず、ABCのうちどれか一つをでたらめに選ぶ。次にその選んだ箱において、くじを1本引いてはもとに戻す試行を3回繰り返したところ、3回中ちょうど1回あたった。このとき、選んだ箱がAである条件付き確率はとなる。
(4)
花子:どうやら箱が三つの場合でも、条件付き確率のは各箱で3回中ちょうど1回当たりくじを引く確率のになっているみたいだね。
太郎:そうだね。それを利用すると、条件付き確率の値は計算しなくても、その大きさを比較することができるね。

当たりくじを引く確率が、である箱Aである箱Bである箱Cである箱Dの四つの箱の場合を考える。まず、ABCDのうちどれか一つの箱をでたらめに選ぶ。次にその選んだ箱において、くじを1本引いてはもとに戻す試行を3回繰り返したところ、3回中1回当たった。このとき、条件付き確率を用いて、どの箱からくじを引いた可能性が高いかを考える。可能性が高い方から順に並べるととなる。
の解答群
 ABCD   ABDC   ACBD
 ACDB   ADBC   BACD
 BADC   BCAD   BCDA
[解答へ]


[4] 円周上に15個の点,・・・,が反時計回りに順に並んでいる。最初、点に石がある。さいころを投げて偶数の目が出たら石を反時計回りに5個先の点に移動させ、奇数の目が出たら石を時計回りに3個先の点に移動させる。この操作を繰り返す。例えば、石が点にあるとき、さいころを投げて6の目が出たら石を点に移動させる。次に、5の目が出たら点にある石を点に移動させる。
(1) さいころを5回投げて、偶数の目が回、奇数の目が回出れば、点にある石を点に移動させることができる。このとき、は、不定方程式の整数解になっている。
(2) 不定方程式
 ・・・@
のすべての整数解xyは、kを整数として
と表される。@の整数解xyの中で、、を満たすものは
である。したがって、さいころを回投げて、偶数の目が回、奇数の目が回出れば、点にある石を点に移動させることができる。
(3) (2)において、さいころを回より少ない回数だけ投げて、点にある石を点に移動させることはできないだろうか。
() 石を反時計回りまたは時計回りに15個先の点に移動させると元の点に戻る。
()に注意すると、偶数の目が回、奇数の目が回出れば、さいころを投げる回数が回で、点にある石を点に移動させることができる。このとき、である。
(4) ,・・・,のうちから点を一つ選び、点にある石をさいころを何回か投げてその点に移動させる。そのために必要となる、さいころを投げる最小回数を考える。例えば、さいころを1回だけ投げて点にある石を点へ移動させることはできないが、さいころを2回投げて偶数の目と奇数の目が1回ずつ出れば、点にある石を点へ移動させることができる。したがって、点を選んだ場合には、この最小回数は2回である。
,・・・,のうち、この最小回数が最も大きいのは点であり、その最小回数は回である。
の解答群
             
[解答へ]


[5] △ABCにおいて、とする。
の二等分線と辺BCとの交点をDとすると
である。
また、の二等分線と△
ABCの外接円Oとの交点で点Aとは異なる点をEとする。△AECに着目すると、
である。
ABC2ABACの両方に接し、外接円Oに内接する円の中心をPとする。円Pの半径をrとする。さらに、円Pと外接円Oとの接点をFとし、直線PFと外接円Oとの交点で点Fとは異なる点をGとする。このとき、
と表せる。したがって、方べきの定理によりである。
ABCの内心をQとする。内接円Qの半径はで、である。また、円Pと辺ABとの接点をHとすると、である。
以上から、点
Hに関する次の(a)(b)の正誤の組み合わせとして正しいものはである。
(a) H3BDQを通る円の周上にある。
(b) H3BEQを通る円の周上にある。
の解答群

(a)
(b)
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