大学入学共通テスト数学IA 2022年問題
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[1][1] 実数a,b,cが
・・・@ および
・・・A を満たしているとする。
(1) を展開した式において、@とAを用いると であることがわかる。よって
である。
(2) の場合に、の値を求めてみよう。 ,とおくと である。また、(1)の計算から
が成り立つ。
これらより
である。
[2] 以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて本問末尾の三角比の表を用いてもよい。
太郎さんと花子さんは、キャンプ場のガイドブックにある地図を見ながら、後のように話している。
太郎:キャンプ場の地点Aから山頂Bを見上げる角度はどれくらいかな。
花子:地図アプリを使って、地点Aと山頂Bを含む断面図を調べたら、図1のようになったよ。点Cは、山頂Bから地点Aを通る水平面に下ろした垂線とその水平面との交点のことだよ。
太郎:図1の角度θは、AC,BCの長さを定規で測って、三角比の表を用いて調べたらだったよ。 花子:本当になの?図1の鉛直方向の縮尺と水平方向の縮尺は等しいのかな?
図1のθはちょうどであったとする。しかし、図1の縮尺は、水平方向がであるのに対して、鉛直方向はであった。
実際にキャンプ場の地点Aから山頂Bを見上げる角であるを考えると、はとなる。したがって、の大きさは。ただし、目の高さは無視して考えるものとする。
の解答群 ちょうどである ちょうどである ちょうどである ちょうどである
三角比の表
角 | 正弦(sin) | 余弦(cos) | 正接(tan) | | 角 | 正弦(sin) | 余弦(cos) | 正接(tan) |
0° | 0.0000 | 1.0000 | 0.0000 | | 45° | 0.7071 | 0.7071 | 1.0000 |
1° | 0.0175 | 0.9998 | 0.0175 | | 46° | 0.7193 | 0.6947 | 1.0355 |
2° | 0.0349 | 0.9994 | 0.0349 | | 47° | 0.7314 | 0.6820 | 1.0724 |
3° | 0.0523 | 0.9986 | 0.0524 | | 48° | 0.7431 | 0.6691 | 1.1106 |
4° | 0.0698 | 0.9976 | 0.0699 | | 49° | 0.7547 | 0.6561 | 1.1504 |
5° | 0.0872 | 0.9962 | 0.0875 | | 50° | 0.7660 | 0.6428 | 1.1918 |
6° | 0.1045 | 0.9945 | 0.1051 | | 51° | 0.7771 | 0.6293 | 1.2349 |
7° | 0.1219 | 0.9925 | 0.1228 | | 52° | 0.7880 | 0.6157 | 1.2799 |
8° | 0.1392 | 0.9903 | 0.1405 | | 53° | 0.7986 | 0.6018 | 1.3270 |
9° | 0.1564 | 0.9877 | 0.1584 | | 54° | 0.8090 | 0.5878 | 1.3764 |
10° | 0.1736 | 0.9848 | 0.1763 | | 55° | 0.8192 | 0.5736 | 1.4281 |
11° | 0.1908 | 0.9816 | 0.1944 | | 56° | 0.8290 | 0.5592 | 1.4826 |
12° | 0.2079 | 0.9781 | 0.2126 | | 57° | 0.8387 | 0.5446 | 1.5399 |
13° | 0.2250 | 0.9744 | 0.2309 | | 58° | 0.8480 | 0.5299 | 1.6003 |
14° | 0.2419 | 0.9703 | 0.2493 | | 59° | 0.8572 | 0.5150 | 1.6643 |
15° | 0.2588 | 0.9659 | 0.2679 | | 60° | 0.8660 | 0.5000 | 1.7321 |
16° | 0.2756 | 0.9613 | 0.2867 | | 61° | 0.8746 | 0.4848 | 1.8040 |
17° | 0.2924 | 0.9563 | 0.3057 | | 62° | 0.8829 | 0.4695 | 1.8807 |
18° | 0.3090 | 0.9511 | 0.3249 | | 63° | 0.8910 | 0.4540 | 1.9626 |
19° | 0.3256 | 0.9455 | 0.3443 | | 64° | 0.8988 | 0.4384 | 2.0503 |
20° | 0.3420 | 0.9397 | 0.3640 | | 65° | 0.9063 | 0.4226 | 2.1445 |
21° | 0.3584 | 0.9336 | 0.3839 | | 66° | 0.9135 | 0.4067 | 2.2460 |
22° | 0.3746 | 0.9272 | 0.4040 | | 67° | 0.9205 | 0.3907 | 2.3559 |
23° | 0.3907 | 0.9205 | 0.4245 | | 68° | 0.9272 | 0.3746 | 2.4751 |
24° | 0.4067 | 0.9135 | 0.4452 | | 69° | 0.9336 | 0.3584 | 2.6051 |
25° | 0.4226 | 0.9063 | 0.4663 | | 70° | 0.9397 | 0.3420 | 2.7475 |
26° | 0.4384 | 0.8988 | 0.4877 | | 71° | 0.9455 | 0.3256 | 2.9042 |
27° | 0.4540 | 0.8910 | 0.5095 | | 72° | 0.9511 | 0.3090 | 3.0777 |
28° | 0.4695 | 0.8829 | 0.5317 | | 73° | 0.9563 | 0.2924 | 3.2709 |
29° | 0.4848 | 0.8746 | 0.5543 | | 74° | 0.9613 | 0.2756 | 3.4874 |
30° | 0.5000 | 0.8660 | 0.5774 | | 75° | 0.9659 | 0.2588 | 3.7321 |
31° | 0.5150 | 0.8572 | 0.6009 | | 76° | 0.9703 | 0.2419 | 4.0108 |
32° | 0.5299 | 0.8480 | 0.6249 | | 77° | 0.9744 | 0.2250 | 4.3315 |
33° | 0.5446 | 0.8387 | 0.6494 | | 78° | 0.9781 | 0.2079 | 4.7046 |
34° | 0.5592 | 0.8290 | 0.6745 | | 79° | 0.9816 | 0.1908 | 5.1446 |
35° | 0.5736 | 0.8192 | 0.7002 | | 80° | 0.9848 | 0.1736 | 5.6713 |
36° | 0.5878 | 0.8090 | 0.7265 | | 81° | 0.9877 | 0.1564 | 6.3138 |
37° | 0.6018 | 0.7986 | 0.7536 | | 82° | 0.9903 | 0.1392 | 7.1154 |
38° | 0.6157 | 0.7880 | 0.7813 | | 83° | 0.9925 | 0.1219 | 8.1443 |
39° | 0.6293 | 0.7771 | 0.8098 | | 84° | 0.9945 | 0.1045 | 9.5144 |
40° | 0.6428 | 0.7660 | 0.8391 | | 85° | 0.9962 | 0.0872 | 11.4301 |
41° | 0.6561 | 0.7547 | 0.8693 | | 86° | 0.9976 | 0.0698 | 14.3007 |
42° | 0.6691 | 0.7431 | 0.9004 | | 87° | 0.9986 | 0.0523 | 19.0811 |
43° | 0.6820 | 0.7314 | 0.9325 | | 88° | 0.9994 | 0.0349 | 28.6363 |
44° | 0.6947 | 0.7193 | 0.9657 | | 89° | 0.9998 | 0.0175 | 57.2900 |
45° | 0.7071 | 0.7071 | 1.0000 | | 90° | 1.0000 | 0.0000 | − |
[3] 外接円の半径が3である△ABCを考える。点Aから直線BCに引いた垂線と直線BCとの交点をDとする。
(1) ,とする。このとき , である。
(2) 2辺AB,ACの間にの関係があるとする。 このとき、ABの長さのとり得る値の範囲はであり と表されるので、ADの長さの最大値はである。
[解答へ]
[2][1] p,qを実数とする。
花子さんと太郎さんは、次の二つの2次方程式について考えている。
・・・@
・・・A @またはAを満たす実数xの個数をnとおく。
(2) のとき、になる場合を考える。
花子:例えば、@とAをともに満たす実数xがあるときはになりそうだね。 太郎:それをaとしたら、とが成り立つよ。 花子:なるほど。それならば、を消去すれば、aの値が求められそうだね。 太郎:確かにaの値が求まるけど、実際にになっているかどうかの確認が必要だね。 花子:これ以外にもとなる場合がありそうだね。 となるqの値は である。ただし、とする。 (3) 花子さんと太郎さんは、グラフ表示ソフトを用いて、@,Aの左辺をyとおいた2次関数とのグラフの動きを考えている。 に固定したまま、qの値だけを変化させる。 ・・・B
・・・C (4) とする。全体集合Uを実数全体の集合とし、Uの部分集合A,Bを とする。Uの部分集合Xに対し、Xの補集合をと表す。このとき、次のことが成り立つ。 ,の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。) 必要条件であるが、十分条件ではない 十分条件であるが、必要条件ではない 必要十分条件である 必要条件でも十分条件でもない
[2] 日本国外における日本語教育の状況を調べるために、ある行政機関では「海外日本語教育機関調査」を実施しており、各国における教育機関数、教員数、学習者数が調べられている。2018年度において学習者数が5000人以上の国と地域(以下、国)は29か国であった。これら29か国について、2009年度と2018年度のデータが得られている。
(1) 各国において、学習者数を教員数で割ることにより、国ごとの「教員1人あたりの学習者数」を算出することができる。図1と図2は、2009年度および2018年度における「教員1人あたりの学習者数」のヒストグラムである。これら二つのヒストグラムから、9年間の変化に関して、後のことが読み取れる。なお、ヒストグラムの各階級の区間は、左側の数値を含み、右側の数値を含まない。
・2009年度と2018年度の中央値が含まれる階級の階級値を比較すると、。 ・2009年度と2018年度の第1四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると、。 ・2009年度と2018年度の第3四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると、。 ・2009年度と2018年度の範囲を比較すると、。 ・2009年度と2018年度の四分位範囲を比較すると、。 〜の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。) 2018年度の方が小さい 2018年度の方が大きい 両者は等しい これら二つのヒストグラムからだけでは両者の大小を判断できない (2) 各国において、学習者数を教育機関数で割ることにより、「教育機関1機関あたりの学習者数」も算出した。図3は、2009年度における「教育機関1機関あたりの学習者数」の箱ひげ図である。
(3) 各国における2018年度の学習者数を100としたときの2009年度の学習者数S,および、各国における2018年度の教員数を100としたときの2009年度の教員数Tを算出した。
例えば、学習者数について説明すると、ある国において、2009年度が44272人、2018年度が174521人であった場合、2009年度の学習者数Sはよりと算出される。
表1はSとTについて、平均値、標準偏差および共分散を計算したものである。ただし、SとTの共分散は、Sの偏差とTの偏差の積の平均値である。
表1の数値が四捨五入していない正確な値であるとして、SとTの相関係数を求めるとである。
表1 平均値、標準偏差および共分散
(4) 表1と(3)で求めた相関係数を参考にすると、(3)で算出した2009年度のS (横軸)とT (縦軸)の散布図はである。 については、最も適当なものを、右図の〜のうちから一つ選べ。なお、これらの散布図には、完全に重なっている点はない。
注.原問題文には弊塾とは関係のない実在の団体名が含まれるため、問題文を改変しました。問題を解く上では影響ありません。原問題文は、大学入試センターの過去問を参照してください。
[解答へ]
[3] 複数人がそれぞれプレゼントを一つずつ持ち寄り、交換会を開く。ただし、プレゼントはすべて異なるとする。プレゼントの交換は次の手順で行う。
手順
外見が同じ袋を人数分用意し、各袋にプレゼントを一つずつ入れたうえで、各参加者に袋をでたらめに配る。各参加者は配られた袋の中のプレゼントを受け取る。
交換の結果、1人でも自分の持参したプレゼントを受け取った場合は、交換をやり直す。そして、全員が自分以外の人の持参したプレゼントを受け取ったところで交換会を終了する。
(1) 2人または3人で交換会を開く場合を考える。
(i) 2人で交換会を開く場合、1回目の交換で交換会が終了するプレゼントの受け取り方は通りある。したがって、1回目の交換で交換会が終了する確率はである。 (ii) 3人で交換会を開く場合、1回目の交換で交換会が終了するプレゼントの受け取り方は通りある。したがって、1回目の交換で交換会が終了する確率はである。 (iii) 3人で交換会を開く場合、4回以下の交換で交換会が終了する確率はである。 (2) 4人で交換会を開く場合、1回目の交換で交換会が終了する確率を次の構想に基づいて求めてみよう。
構想
1回目の交換で交換会が終了しないプレゼントの受け取り方の総数を求める。そのために、自分の持参したプレゼントを受け取る人数によって場合分けする。
1回目の交換で、4人のうち、ちょうど1人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合は通りあり、ちょうど2人が自分のプレゼントを受け取る場合は通りある。このように考えていくと、1回目のプレゼントの受け取り方のうち、1回目の交換で交換会が終了しない受け取り方の総数はである。
したがって、1回目の交換で交換会が終了する確率はである。 (3) 5人で交換会を開く場合、1回目の交換で交換会が終了する確率はである。 (4) A,B,C,D,Eの5人が交換会を開く。1回目の交換でA,B,C,Dがそれぞれ自分以外の人の持参したプレゼントを受け取ったとき、その回で交換会が終了する条件付き確率はである。 [解答へ]
[4](1) をで割ったときの余りは1に等しい。このことを用いると、不定方程式 ・・・@ の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは
, であることがわかる。
また、@の整数解のうち、xが2桁の正の整数で最小になるのは
, である。
(2) 次にをで割ったときの余りと、で割ったときの余りについて考えてみよう。 まず、
であり、また、とすると である。これらより、をで割ったときの余りと、で割ったときの余りがわかる。 (3) (2)の考察は、不定方程式
・・・A の整数解を調べるために利用できる。x,yをAの整数解とする。はの倍数であり、で割ったときの余りは1となる。よって、(2)により、はでもでも割り切れる。とは互いに素なので、はの倍数である。
このことから、Aの整数解のうち、xが3桁の正の整数で最小になるのは , であることがわかる。
(4) をで割ったときの余りは1に等しい。不定方程式 の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは
, である。
[解答へ]
[5] △ABCの重心をGとし、線分AG上で点Aとは異なる位置に点Dをとる。直線AGと辺BCの交点をEとする。また、直線BC上で辺BC上にはない位置に点Fをとる。直線DFと辺ABの交点をP,直線DFと辺ACの交点をQとする。
(1) 点Dは線分AGの中点であるとする。このとき、△ABCの形状に関係なく
である。また、点Fの位置に関係なく
, であるので、つねに
となる。
,,,の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。) BC BF CF EF FP FQ PQ
(2) ,,とし、(1)と同様に、点Dは線分AGの中点であるとする。ここで、4点B,C,Q,Pが同一円周上にあるように点Fをとる。 このとき、であるから , であり
である。
(3) △ABCの形状や点Fの位置に関係なく、つなにとなるのは、のときである。 [解答へ]
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