大学入学共通テスト数学IIB 2023年問題
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[1][1] 三角関数の値の大小関係について考えよう。
,の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
(2) との値の大小関係を詳しく調べよう。 であるから、が成り立つことは 「 かつ 」 ・・・@ または
「 かつ 」 ・・・A が成り立つことと同値である。のとき、@が成り立つようなxの値の範囲は であり、Aが成り立つようなxの値の範囲は
である。よって、のとき、が成り立つようなxの値の範囲は , である。
(3) との値の大小関係を調べよう。 三角関数の加法定理を用いると、等式
・・・B が得られる。,を満たすα,βに対してBを用いることにより、が成り立つことは 「 かつ 」 ・・・C または
「 かつ 」 ・・・D
が成り立つことと同値であることがわかる。
のとき、C,Dにより、が成り立つようなxの値の範囲は , である。
,の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
(4) (2),(3)の考察から、のとき、が成り立つようなxの値の範囲は , であることがわかる。
の解答群
(2) 様々な対数の値が有理数か無理数かについて考えよう。
(i) ,であり、どちらも有理数である。
(ii) が有理数と無理数のどちらであるかを考えよう。 が有理数であると仮定すると、であるので、二つの自然数p,qを用いてと表すことができる。このとき、(1)によりはと変形できる。いま、2は偶数であり3は奇数であるので、を満たす自然数p,qは存在しない。
したがって、は無理数だとわかる。
(iii) a,bを2以上の自然数とするとき、(ii)と同様に考えると、「ならばはつねに無理数である」ことがわかる。 の解答群 の解答群 aが偶数
bが偶数
aが奇数
bが奇数
aとbがともに偶数、またはaとbがともに奇数
aとbのいずれか一方が偶数で、もう一方が奇数 [解答へ]
[2][1](1) kを正の定数とし、次の3次関数を考える。
のグラフとx軸との共有点の座標はとである。
の導関数は である。
のとき、は極小値をとる。
のとき、は極大値をとる。
また、の範囲においてのときは最大となることがわかる。
,〜の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
(2) 右の図のように底面が半径9の円で高さが15の円錐に内接する円柱を考える。円柱の底面の半径と体積をそれぞれx,Vとする。Vをxの式で表すと () である。(1)の考察より、のときVは最大となることがわかる。Vの最大値はである。
[2](1) 定積分の値はである。 また、関数の不定積分は である。ただし、Cは積分定数とする。
(2) ある地域では、毎年3月頃「ソメイヨシノ(桜の種類)の開花予想日」が話題になる。太郎さんと花子さんは、開花日時を予想する方法の一つに、2月に入ってからの気温を時間の関数とみて、その関数を積分した値をもとにする方法があることを知った。ソメイヨシノの開花日時を予想するために、二人は図1の6時間毎の気温の折れ線を見ながら、次のように考えることにした。 xの値の範囲を0以上の実数全体として、2月1日午前0時から時間経った時点をx日後とする。(例えば、10.3日後は2月11日午前7時12分を表す。)また、x日後の気温をy℃とする。このとき、yはxの関数であり、これをとおく。ただし、yは負にはならないものとする。
気温を表す関数を用いて二人はソメイヨシノの開花日時を次の設定で考えることにした。
−設定−−−−−−−−−−−−−
正の実数t に対して、を0からt まで積分した値をとする。すなわち、とする。このが400に到達したとき、ソメイヨシノが開花する。
−−−−−−−−−−−−−−−−設定のもと、太郎さんは気温を表す関数のグラフを図2のように直線とみなしてソメイヨシノの開花日時を考えることにした。 (i) 太郎さんは、
() として考えた。このとき、ソメイヨシノの開花日時は2月に入ってからとなる。
の解答群 30日後 35日後 40日後
45日後 50日後 55日後
60日後 65日後
(ii) 太郎さんと花子さんは、2月に入ってから30日後以降の気温について話をしている。
−−−−−−−−−−−−−−−−
太郎:1次関数を用いてソメイヨシノの開花日時を求めてみたよ。
花子:気温の上がり方から考えて、2月に入ってから30日後以降の気温を表す関数が2次関数の場合も考えてみようか。
−−−−−−−−−−−−−−−−
花子さんは気温を表す関数を、のときは太郎さんと同じように とし、のときは として考えた。なお、のとき@の右辺の値とAの右辺の値は一致する。花子さんの考えた式を用いて、ソメイヨシノの開花日時を考えよう。(1)より であり、
となることがわかる。
また、の範囲においては増加する。よって であることがわかる。以上より、ソメイヨシノの開花日時は2月に入ってからとなる。
の解答群 の解答群 30日後より前
30日後
30日後より後、かつ40日後より前
40日後
40日後より後、かつ50日後より前
50日後
50日後より後、かつ60日後より前
60日後
60日後より後 [解答へ]
[3] 以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて43ページ(注.本ウェブサイトでは問題文の末尾)の正規分布表を用いてもよい。
(1) ある生産地で生産されるピーマン全体を母集団とし、この母集団におけるピーマン1個の重さ(単位はg)を表す確率変数をXとする。mとσを正の実数とし、Xは正規分布に従うとする。
(i) この母集団から1個のピーマンを無作為に抽出したとき、重さがmg以上である確率は である。
(ii) 母集団から無作為に抽出された大きさnの標本,,・・・,の標本平均をとする。の平均(期待値)と標準偏差はそれぞれ , となる。
,標本平均が30.0g,標本の標準偏差が3.6gのとき、mの信頼度90%の信頼区間を次の方針で求めよう。
−方針−−−−−−−−−−−−−Zを標準正規分布に従う確率変数として、となるを正規分布表から求める。このを用いるとmの信頼度90.1%の信頼区間が求められるが、これを信頼度90%の信頼区間とみなして考える。
−−−−−−−−−−−−−−−−方針において、である。
一般に、標本の大きさnが大きいときには、母標準偏差の代わりに、標本の標準偏差を用いてよいことが知れられている。は十分に大きいので、方針に基づくと、mの信頼度90%の信頼区間はとなる。
,の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。) については、最も適当なものを、次の〜のうちから一つ選べ。
(2) (1)の確率変数Xにおいて、,とした母集団から無作為にピーマンを1個ずつ抽出し、ピーマン2個を1組にしたものを袋に入れていく。このようにしてピーマン2個を1組にしたものを25袋作る。その際、1袋ずつの重さの分散を小さくするために、次のピーマン分類法を考える。
−ピーマン分類法−−−−−−−−
無作為に抽出したいくつかのピーマンについて、重さが30.0g以下のときをSサイズ、30.0gを超えるときはLサイズと分類する。そして、分類されたピーマンからSサイズとLサイズのピーマンを一つずつ選び、ピーマン2個を1組とした袋を作る。
−−−−−−−−−−−−−−−−
(i) ピーマンを無作為に50個抽出したとき、ピーマン分類法で25袋作ることができる確率を考えよう。無作為に1個抽出したピーマンがSサイズである確率はである。ピーマンを無作為に50個抽出したときのSサイズのピーマンの個数を表す確率変数をとすると、は二項分布に従うので となる。
を計算すると、となることから、ピーマンを無作為に50個抽出したとき、25袋作ることができる確率は0.11程度とわかる。
(ii) ピーマン分類法で25袋作ることができる確率が0.95以上となるようなピーマンの個数を考えよう。
kを自然数とし、ピーマンを無作為に個抽出したとき、Sサイズのピーマンの個数を表す確率変数をとすると、は二項分布に従う。
は十分に大きいので、は近似的に正規分布に従い、とすると、Yは近似的に標準正規分布に従う。
よって、ピーマン分類法で、25袋作ることができる確率をとすると となる。
,とおく。
になるようなについて、正規分布表からを満たせばよいことがわかる。ここでは ・・・@ を満たす自然数kを考えることとする。@の両辺は正であるから、を満たす最小のkをとすると、であることがわかる。ただし、の計算においては、を用いてもよい。
したがって、少なくとも個のピーマンを抽出しておけば、ピーマン分類法で25袋作ることができる確率は0.95以上となる。
〜の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
正規分布表
次の表は、標準正規分布の分布曲線における右図灰色
部分の面積をまとめたものである。
| 0.00 | 0.01 | 0.02 | 0.03 | 0.04 | 0.05 | 0.06 | 0.07 | 0.08 | 0.09 |
0.0 | 0.0000 | 0.0040 | 0.0080 | 0.0120 | 0.0160 | 0.0199 | 0.0239 | 0.0279 | 0.0319 | 0.0359 |
0.1 | 0.0398 | 0.0438 | 0.0478 | 0.0517 | 0.0557 | 0.0596 | 0.0636 | 0.0675 | 0.0714 | 0.0753 |
0.2 | 0.0793 | 0.0832 | 0.0871 | 0.0910 | 0.0948 | 0.0987 | 0.1026 | 0.1064 | 0.1103 | 0.1141 |
0.3 | 0.1179 | 0.1217 | 0.1255 | 0.1293 | 0.1331 | 0.1368 | 0.1406 | 0.1443 | 0.1480 | 0.1517 |
0.4 | 0.1554 | 0.1591 | 0.1628 | 0.1664 | 0.1700 | 0.1736 | 0.1772 | 0.1808 | 0.1844 | 0.1879 |
0.5 | 0.1915 | 0.1950 | 0.1985 | 0.2019 | 0.2054 | 0.2088 | 0.2123 | 0.2157 | 0.2190 | 0.2224 |
0.6 | 0.2257 | 0.2291 | 0.2324 | 0.2357 | 0.2389 | 0.2422 | 0.2454 | 0.2486 | 0.2517 | 0.2549 |
0.7 | 0.2580 | 0.2611 | 0.2642 | 0.2673 | 0.2704 | 0.2734 | 0.2764 | 0.2794 | 0.2823 | 0.2852 |
0.8 | 0.2881 | 0.2910 | 0.2939 | 0.2967 | 0.2995 | 0.3023 | 0.3051 | 0.3078 | 0.3106 | 0.3133 |
0.9 | 0.3159 | 0.3186 | 0.3212 | 0.3238 | 0.3264 | 0.3289 | 0.3315 | 0.3340 | 0.3365 | 0.3389 |
1.0 | 0.3413 | 0.3438 | 0.3461 | 0.3485 | 0.3508 | 0.3531 | 0.3554 | 0.3577 | 0.3599 | 0.3621 |
1.1 | 0.3643 | 0.3665 | 0.3686 | 0.3708 | 0.3729 | 0.3749 | 0.3770 | 0.3790 | 0.3810 | 0.3830 |
1.2 | 0.3849 | 0.3869 | 0.3888 | 0.3907 | 0.3925 | 0.3944 | 0.3962 | 0.3980 | 0.3997 | 0.4015 |
1.3 | 0.4032 | 0.4049 | 0.4066 | 0.4082 | 0.4099 | 0.4115 | 0.4131 | 0.4147 | 0.4162 | 0.4177 |
1.4 | 0.4192 | 0.4207 | 0.4222 | 0.4236 | 0.4251 | 0.4265 | 0.4279 | 0.4292 | 0.4306 | 0.4319 |
1.5 | 0.4332 | 0.4345 | 0.4357 | 0.4370 | 0.4382 | 0.4394 | 0.4406 | 0.4418 | 0.4429 | 0.4441 |
1.6 | 0.4452 | 0.4463 | 0.4474 | 0.4484 | 0.4495 | 0.4505 | 0.4515 | 0.4525 | 0.4535 | 0.4545 |
1.7 | 0.4554 | 0.4564 | 0.4573 | 0.4582 | 0.4591 | 0.4599 | 0.4608 | 0.4616 | 0.4625 | 0.4633 |
1.8 | 0.4641 | 0.4649 | 0.4656 | 0.4664 | 0.4671 | 0.4678 | 0.4686 | 0.4693 | 0.4699 | 0.4706 |
1.9 | 0.4713 | 0.4719 | 0.4726 | 0.4732 | 0.4738 | 0.4744 | 0.4750 | 0.4756 | 0.4761 | 0.4767 |
2.0 | 0.4772 | 0.4778 | 0.4783 | 0.4788 | 0.4793 | 0.4798 | 0.4803 | 0.4808 | 0.4812 | 0.4817 |
2.1 | 0.4821 | 0.4826 | 0.4830 | 0.4834 | 0.4838 | 0.4842 | 0.4846 | 0.4850 | 0.4854 | 0.4857 |
2.2 | 0.4861 | 0.4864 | 0.4868 | 0.4871 | 0.4875 | 0.4878 | 0.4881 | 0.4884 | 0.4887 | 0.4890 |
2.3 | 0.4893 | 0.4896 | 0.4898 | 0.4901 | 0.4904 | 0.4906 | 0.4909 | 0.4911 | 0.4913 | 0.4916 |
2.4 | 0.4918 | 0.4920 | 0.4922 | 0.4925 | 0.4927 | 0.4929 | 0.4931 | 0.4932 | 0.4934 | 0.4936 |
2.5 | 0.4938 | 0.4940 | 0.4941 | 0.4943 | 0.4945 | 0.4946 | 0.4948 | 0.4949 | 0.4951 | 0.4952 |
2.6 | 0.4953 | 0.4955 | 0.4956 | 0.4957 | 0.4959 | 0.4960 | 0.4961 | 0.4962 | 0.4963 | 0.4964 |
2.7 | 0.4965 | 0.4966 | 0.4967 | 0.4968 | 0.4969 | 0.4970 | 0.4971 | 0.4972 | 0.4973 | 0.4974 |
2.8 | 0.4974 | 0.4975 | 0.4976 | 0.4977 | 0.4977 | 0.4978 | 0.4979 | 0.4979 | 0.4980 | 0.4981 |
2.9 | 0.4981 | 0.4982 | 0.4982 | 0.4983 | 0.4984 | 0.4984 | 0.4985 | 0.4985 | 0.4986 | 0.4986 |
3.0 | 0.4987 | 0.4987 | 0.4987 | 0.4988 | 0.4988 | 0.4989 | 0.4989 | 0.4989 | 0.4990 | 0.4990 |
[解答へ]
[4] 花子さんは、毎年の始めに預金口座に一定額の入金をすることにした。この入金を始める前における花子さんの預金は10万円である。ここで、預金とは預金口座にあるお金の額のことである。預金には年利1%で利息がつき、ある年の初めの預金がx万円であれば、その年の終わりには預金は万円となる。次の年の初めには万円に入金額を加えたものが預金となる。
毎年初めの入金額をp万円とし、n年目の初めの預金を万円とおく。ただし、とし、nは自然数とする。
例えば、,である。
(1) を求めるために二つの方針で考える。 −方針1−−−−−−−−−−−−n年目の初めの預金と年目の初めの預金との関係に着目して考える。
−−−−−−−−−−−−−−−−3年目の初めの預金万円について、である。すべての自然数nについて が成り立つ。これは
と変形でき、を求めることができる。
の解答群
〜の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
−方針2−−−−−−−−−−−−
もともと預金口座にあった10万円と毎年の初めに入金したp万円について、n年目の初めにそれぞれがいくらになるかに着目して考える。
−−−−−−−−−−−−−−−−
もともと預金口座にあった10万円は、2年目の初めには万円になり、3年目の初めには万円になる。同様に考えるとn年目の初めには万円になる。 ・1年目の初めに入金したp万円は、n年目の初めには万円になる。 ・2年目の初めに入金したp万円は、n年目の初めには万円になる。 ・n年目の初めに入金したp万円は、n年目の初めにはp万円のままである。
これより
となることがわかる。ここで、となるので、を求めることができる。
,の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。) の解答群 の解答群
(2) 花子さんは、10年目の終わりの預金が30万円以上になるための入金額について考えた。
10年目の終わりの預金が30万円以上であることを不等式を用いて表すととなる。この不等式をpについて解くと となる。したがって、毎年の初めの入金額が例えば18000円であれば、10年目の終わりの預金が30万円以上になることがわかる。
の解答群
(3) 1年目の入金を始める前における花子さんの預金が10万円ではなく、13万円の場合を考える。すべての自然数nに対して、この場合のn年目の初めの預金は万円よりも万円多い。なお、年利は1%であり、毎年の初めの入金はp万円のままである。 の解答群
[解答へ]
[5] 三角錐PABCにおいて、辺BCの中点をMとおく。また、とし、この角度をθとおく。ただし、とする。
(1) は と表せる。また、
・・・@ である。
の解答群
(2) とし、さらに が成り立つ場合を考える。このとき
である。さらに、直線AM上の点Dがを満たしているとする。このとき、である。
(3)
で定まる点をQとおく。とが垂直である三角錐PABCはどのようなものかについて考えよう。例えば(2)の場合では、点Qは点Dと一致し、とは垂直である。
(i) とが垂直であるとき、を,,を用いて表して考えると、が成り立つ。さらに@に注意すると、からが成り立つことがわかる。 したがって、とが垂直であれば、が成り立つ。逆にが成り立てば、とは垂直である。
の解答群 の解答群
(ii) kを正の定数とし
が成り立つとする。このとき、が成り立つ。
また、点Bから直線APに下ろした垂線と直線APとの交点をとし、同様に点Cから直線APに下ろした垂線と直線APとの交点をとする。
このとき、とが垂直であることは、であることと同値である。特にのとき、とが垂直であることは、であることと同値である。
の解答群 の解答群 の解答群 △PABと△PACがともに正三角形 △PABと△PACがそれぞれ,を満たす直角二等辺三角形 △PABと△PACがそれぞれ,を満たす二等辺三角形 △PABと△PACが合同
[解答へ]
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