名古屋市大医数学'08[2]

四面体OABCにおいて、とする。
のとき、次の問いに答えよ。

(1) BCtの比に分ける点をQAQsの比に分ける点をPとする。stで表せ。
(2) が平面ABCと垂直になるとき、stの値を求めよ。
(3) 四面体OABCの体積を求めよ。


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解答 四面体の体積を求める標準的な問題です。ですが、この問題の誘導のまま計算するのでは、との内積や、の計算をするときに、に関する内積が出てきて、展開したときの項数が増えて面倒です。そこで、
とおいて、この問題を、3個のベクトルの組で考えることにします。
 (内積を参照)





(1)  (ベクトルの内分・外分を参照)

 ・・・@

......[]
@とより、を使って表すと、
 ・・・A

(2) が平面ABCと垂直になるとき、
よって、,Aより、


 ・・・B

 ・・・C
C−Bより、
......[]
このときAより、

(3) 三角形ABCの面積Sは、


四面体OABCの体積Vは、
......[]

追記.以上の解答より、四面体OABCの体積Vを、三角形ABCを底面,頂点Oから三角形ABCに下ろした垂線をOHとして、
によって求める場合には、Aを始点として三角形ABCを作る,および、始点に向かうベクトル3個のベクトルを基本ベクトルとして考えればよい、ということになります。

四面体の体積の問題は本問のように、各辺の長さと各辺のベクトル同士の内積を与える問題のほかに、頂点の座標を与えるタイプの問題があります。例えば、
大阪教育大
'07[4]

座標空間において、3ABCの定める平面をαとし、原点Oから平面αに垂線OHを下ろす。
(1) 三角形ABCの面積を求めよ。
(2) をみたすstを求めよ。
(3) Hの座標を求めよ。
(4) 四面体OABCの体積を求めよ。

解答 以下の各計算については、空間ベクトルを参照してください。
(1)
三角形ABCの面積Sは、
......[]

(2)
より、,よって、

 ・・・@

 ・・・A
3−A×2より、
......[]
Aより、 ......[]

(3)
......[]

(4)
四面体OABCの体積Vは、
......[]

実は、高校の範囲外ですが、外積という道具を使うと、もっと簡単に答えることができます。
の外積は、

 (この計算法、外積の性質については、外積を参照)
(1)の三角形ABCの面積S(で作る平行四辺形の面積になる)
の外積は、三角形ABCに垂直なので、
として、より、

(3)Hの座標は、
(4)の四面体OABCの体積Vは、
となります。
なお、
四面体の体積を参照してください。


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