筑波大数学'08年[6]
放物線C:上の異なる2点P,Q ()における接線の交点をRとする。
(1) X,Yをt,sを用いて表せ。
(2) 点P,Qがを満たしながらC上を動くとき、点Rは双曲線上を動くことを示し、かつ、その双曲線の方程式を求めよ。
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解答 (1)で基本対称式が出てくるので、(2)を対称式になるように変形して考えます。こうしたタイプの問題では、隠れた条件に注意する必要があるのですが、この問題では、注意を忘れても影響はありません(追記を参照)。
(1) C: 微分すると、Pにおける接線:
∴ ・・・@Qにおける接線:
∴ ・・・A
@,Aを連立すると、 , ......[答]
(2) 放物線の接線がx軸に垂直になることはなく、つねに、@,Aの傾きが存在するので、tanを考えることにします。
@,Aとx軸のなす角をα,β とします。
, です。右図より2接線のなす角は (ですが、ではないので注意してください)で、これがであることから、 ∴ ・・・B(1)の結果を見れば、Bを、基本対称式,を用いて表すのだろうと思うでしょう。ですが、は対称式ではないので、このままではうまく行きません。そこで、2乗を考えると、は対称式です。なので、 従ってBは、
ここに、(1)の結果、,を代入します。 根号部分は正なので、この式が意味をもつのは、,つまり、 のときです。この条件のもとに分母を払って2乗すると、
整理すると、
∴ (ただし、)これより点Rは双曲線上を動き、その双曲線の方程式は、 ......[答]
追記.基本対称式を用いる問題では注意するべきことがあります。条件が隠れていることがあるのです。上記で、
, より、s,tはxの2次方程式
の2解になりますが、s,tは実数なので、この2次方程式は実数解をもち、判別式≧0です。
なので、この問題では、Rは放物線から下側になければならないのですが、得られた双曲線はから下にあるので、隠れた条件が表に出てくることはありません。
ですが、
という問題では、,として、
より、軌跡の方程式:が得られますが、放物線上の点がすべて答になるわけではありません。x,yは、tの2次方程式:
の2解で、x,y実数より、この2次方程式が実数解をもつことから、判別式:
となり、と合わせて、
∴
よって、点の軌跡は、放物線:のの部分、ということになります。
“x,yが実数”というところに条件が隠れていて、問題文に現れていないので注意が必要です。
また、本問では、2接線のなす角がになっていて、2接線の交点の軌跡が双曲線になりますが、2接線が直交するのであれば、傾きの積= (2直線の平行・垂直を参照)より、
より、
となって、2接線の交点の軌跡は放物線の準線になります。
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