大阪市大数学'10[4]

abをみたす実数とする。は閉区間で定義された連続関数で、をみたすとする。座標平面上、不等式をみたす点全体からなる図形をAとする。Aの面積Sが正のとき、Aの重心のy座標は、
で与えられる。この事実を用いて、次の問いに答えよ。
1 rをみたす実数とする。不等式をみたす点全体からなる図形をBとおく。Bの重心のy座標rを用いて表せ。
2 tは正の実数とする。不等式をみたす点全体からなる図形をCとおく。Cの重心のy座標tを用いて表せ。
3 問1で得られたと問2で得られたについて、の大小を比較せよ。


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解答 単なる積分の計算問題ですが、問題文で与えられている式は興味深い式です。

1 図形Bは右図黄緑色着色部の部分です。Bの面積は、半径1の円の面積から半径rの面積を引いて2で割り、
Bの部分に存在し、問題文の重心のy座標の式で、

また、として、


 (定積分を参照)


Bの重心のy座標は、
......[]

2 図形Cは右図黄緑色着色部の部分です。Cの面積は、半径1の半円の面積と、横2t の長方形の面積を加えて、半円の面積を除き、
Cの部分に存在し、問題文の重心のy座標の式で、

また、として、


 (1項の定積分は半径1の半円の面積に相当します。置換積分(その2)を参照)
Cの重心のy座標は、
......[]

(3) (1)より、
とすると、 (関数の極限を参照)

(2)
より、
より、
......[]

追記.問題文の重心のy座標を与える式:について説明しておきます。
位置xに置かれた幅の細長い棒が、の部分にあるとします。
棒の重心の
y座標はです。棒の質量は棒の面積に比例します。
棒全体での
重心y座標は、質量と各棒の重心のy座標をかけたものを加え合わせ全質量で割ったものになるので、

また、この両辺にをかけると、
となり、横浜国大工08年前期[4]で触れましたが、パップス・ギュルダンの定理が導けます。


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