福井大医数学'11[4]

関数 ()は次の条件を満たしている。
(i)
(ii)
 ()
このとき、以下の問いに答えよ。
(1) を求めよ。
(2) の具体的な形を推測し、その結果を数学的帰納法で証明せよ。
(3) を求めよ。ただし、に対してとなることを用いてよい。


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解答 単なる数Vの総合計算問題に見えるのですが、やってみると、工夫が必要になる問題です。

(1) (ii)において、とすると、

 (部分積分法を参照)


 ・・・@
 (不定積分を参照)
......[]
(ii)
において、とすると、

 ( @)
......[]

(2) (1)の結果より、 ()と予測できます。この予測を数学的帰納法によって証明します。
(T) のとき、(i)より、
よって、予測は成立します。
(U) のとき、予測が成立するとして、
が成立します。
ここで、単純素朴に、
(ii)として、
 ・・・A
を計算しようとしても、という形の積分が出てきて困ります。そこで、先回りして、
とおいて、の漸化式を考えることにします(定積分の漸化式を参照)
 ・・・B
さて、Aに、を代入すると、


 ( B)
よって、予測はにおいても成立します。
(T)(U)より、予測: ()が成立することが証明されました。

(3) (2)より、 ()
 (積の微分法を参照)
 ・・・C
 (等比数列を参照)
これを利用すると、Cより、
ここで、として、 より(等比数列の極限を参照)
......[]


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