横浜国大工数学'11年前期[5]
xy平面上に直線がある。行列の表す1次変換f は、次の(i),(ii),(iii)を満たす。
(i) 平面の点のf による像はすべて上にある。 (ii) f は上の点をすべて原点に移す。 (iii) 点Pが円上を動くとき、f によるPの像のx座標は最大値,最小値をとる。 次の問いに答えよ。
(1) Aを求めよ。またの方程式を求めよ。 (2) (iii)で最大値をとるときのPの座標を求めよ。
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解答 1次変換の基本問題です。(i),(ii)はAが零行列のときでも成立します。場合分けが面倒になるので、条件(iii)から考察しましょう。
(1) 条件(iii)から考えます。円の方程式を変形すると、
これより、, (θ は任意の角)とおく(三角関数を参照)と、 , ・・・@ f による点Pの像は、 Pの像のx座標Xは、の場合(の場合は、となり、条件(iii)を満たしません)を除いて、 但し、, ・・・BXの最大値は、のとき、 ・・・CXの最小値は、のとき、 ・・・D
C+Dより、 ・・・E
C−Dより、 より、
・・・F E,Fより、a,bは、tの2次方程式
これより、 ・・・G
条件(i)を考えます。直線:として、平面上の任意の点のf による像は、 これが直線上にあるので、 平面上の任意の点について、これが成立するために、恒等式の条件より、 ,より、 ・・・H
また、より、直線:となります。
条件(ii)を考えます。t を任意の実数として直線上の点のf による像は、 これが原点になるので、
, t は任意の実数なので、
より ・・・I (これが成立すれば、Hよりとなります)
(2) (1)のBとGより、
となります。(iii)でAのXが最大値をとるとき、の範囲で考えると、 となるので、
(a) のとき、@より、 (b) のとき、@より、
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