東京科学大医歯学系数学'25年前期[2]

xy平面上に3OABをとる。さらに、
となる整数mnが存在するようなxy平面上の点P全体の集合をLとする。このとき、以下の各問いに答えよ。

(1) Lに属するか。それぞれ判定せよ。

(2) Lに属する点のうち、x軸上にあるものをすべて求めよ。

(3) 2Lの要素とする。Lの任意の要素Pに対して、
となる整数が存在するとき、の最小値を求めよ。

(4) 任意のLの要素Pに対して、内積が整数となるようなxy平面上の点Q全体の集合をMとする。Mの要素のうち、x座標およびy座標の絶対値がともに1以下であるものをすべて求めよ。


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解答 ベクトルの1次独立性をネタにした整数の問題です。以下の解法はやや発見的手法ですが、Lの要素全体での最小値を考えるのでは大変です。

 ・・・@

(1) とすると、
 ・・・A
 ・・・B
B−A×2より、
整数
mnが存在するので、
とすると、
 ・・・C
 ・・・D
D−C×2より、
mが整数でなく、
とすると、
 ・・・E
 ・・・F
F−E×2より、
整数
mnが存在するので、
よって、
Lに属するが、Lに属さない ......[]

(2) とすると、
 ・・・G
 ・・・H
Hより、
m7の倍数で、kを整数としてとおくと、
Lに属する点のうち、x軸上にあるものは、 (k:整数) ......[]

(3) Lの要素Pは平面上に分布するので、1次独立である必要があります。つまり、であり、Oは一直線上にはありません。その上で、を最小とするを求めるので、1次独立であって、かつ原点の近くにあるを求めます。そこで、Lの要素で原点Oの近くにあるものを調べます。
(2)と同様にして、上にあるLの要素を調べます。
 ・・・I
 ・・・J
 ・・・K
となるので、J−Kとして、 (この解法については、不定方程式を参照)
4の倍数で、lを整数としてとおくと、
Iに代入すると、
Lに属する点のうち、上にあるものは、 (l:整数) ・・・L
上にある
Lの要素を調べます。
 ・・・M
 ・・・N
 ・・・O
となるので、N−Oとして、
4の倍数で、jを整数としてとおくと、
Mに代入すると、
Lに属する点のうち、上にあるものは、 (j:整数) ・・・P

(2)の結果より、上のLの要素で原点でなく原点に近いものは、で、原点との距離は2です。
Lより、上の
Lの要素で原点に近いものは、で、原点との距離はです。
Pより、上の
Lの要素で原点に近いものは、で、原点との距離はです。
Lの要素で、よりも原点Oに近いものはありません。
そこで、
4つのうちから一直線上にない2つを選びます(どのように選んでも同じ結果を与えます)。例えば、とすると、Lの任意の要素は@よりmnを任意の整数として、として与えられますが、
としてみると、

辺々加えると、 ∴
これより、整数が存在します。
以上より、の最小値は
......[]

(4) とします。まず、としてLの要素であることが確認されている、を考えてみます。
 ・・・Q (内積を参照)
kは整数です。
 ・・・R
lは整数です。
R−Qより、は整数です。を満たすものは、です。
R−Q×
3より、は整数です。を満たすものは、です。
Lの任意の要素 (mnは整数)に対して、
として、のとき、
は整数です。
として、
のとき、
(複号同順)
nが奇数のとき整数になりません。
のとき、
(複号同順)
nが奇数のとき整数になりません。
のとき、
(複号同順)
は、ですが、いずれも整数です。
のとき、
(複号同順)
は、ですが、いずれも整数です。
以上より、
Mの要素のうち、x座標およびy座標の絶対値がともに1以下であるものは、 (複号任意) ......[]



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各問題の著作権は
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なお、解答は、
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