一橋大数学'10年前期[1]
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実数p,q,rに対して、3次多項式をと定める。実数a,c,および0でない実数bに対して、とcはいずれも方程式の解であるとする。ただし、iは虚数単位を表す。
(1) のグラフにおいて、点における接線の傾きをとし、点における接線の傾きをとする。のとき、との大小を比較せよ。 (2) さらに、a,cは整数であり、bは0でない整数であるとする。次を証明せよ。
(i) p,q,rはすべて整数である。
(ii) pが2の倍数であり、qが4の倍数であるならば、a,b,cはすべて2の倍数である。
解答 一橋大では定番の3次方程式・整数の融合問題です。なお、整数を参照してください。
(1) 3次方程式は実数係数の方程式なので、が解になれば、その共役複素数も解になります(高次方程式を参照)。つまり、3次方程式は、3個の解、,,cをもちます。 ・・・@
・・・A
・・・B
(微分を参照) (接線を参照) @を用いると、
なので、 ......[答]
(2)(i) 整数同士の和、差、積は整数なので、@,A,Bより、a,b,cが整数であれば、p,q,rも整数です。(証明終)
(ii) k,lを整数として、p,qは、,と書けます。 @より、
∴ これより、cは2の倍数です。mを整数として、と書けます。
Aより、
∴ よって、は4の倍数です。a,bがともに2の倍数であることを背理法により示します。a,bがともに2の倍数であることを否定すると、 (a) a,bのどちらか一方が奇数で他方は偶数。
(b) a,bのどちらも奇数。
の2通りの場合があります。
(a)では、a,bのどちらか一方が奇数で他方が偶数だとすると、,はどちらか一方が奇数で他方は偶数です。このとき、は奇数となり、4の倍数になり得ません。 (b)では、j,nを整数として、,と書けるので、 となり、は4で割ると2余る整数で、4の倍数になり得ません。
よって、a,bがともに2の倍数であることを否定した仮定は誤りで、a,bはともに2の倍数になります。 以上より、a,b,cは2の倍数です。
(証明終)
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