慶大理工数学'23年[5]
(1) αを
ではない複素数とする。複素数平面上で
を満たす点z全体からなる図形をCとする。Cはαが
を満たすとき直線となり、
を満たさないとき円となる。αが
を満たさないとき、円Cの中心をαを用いて表すと
となる。αが
を満たすとき、直線C上の点zのうち、その絶対値が最小となるものをαを用いて表すと
となる。
(2)
とする。自然数a,b,cの組で、
かつ
が自然数であるものの総数は、
個である。その中で
の値が最大になるのは
のときである。 [広告用スペース1]
解答 (1)と(2)は類似する部分はありますが、関連はありません。(1)は上手に解答しないと計算が大変です。(2)は範囲を絞って総当たりで調べる、という整数の典型問題です。
(1) C:
より、
のとき、
つまり
,これは原点を中心とする半径
の円です。
のとき、
・・・@・
,つまり
のとき、zは2点
から等距離にある点を表し、z全体は、2点を結ぶ線分の垂直二等分線です。 ・
のとき、zは2点
からの距離の比が
:1である点を表し、z全体はアポロニウスの円となり、この円は、2点
を
:1に内分する点Aと外分する点Bを直径の両端とする円で、中心はABの中点です。 点Aは、
点Bは、
円の中心、即ちABの中点は、 Cが直線になるのは、
.....[チ]
Cが円になるとき、中心は、
......[ツ]
でCが直線になるとき、@より、 


・・・A (∵
)
はAを満たさず、直線Cは原点を通りません。直線C上の点zで
を最小にする点は、原点を通り直線Cと垂直な直線と直線Cとの交点です。
直線Cは2点
を結ぶ線分の垂直二等分線なので、2点
を結ぶ直線と垂直です。2点
を結ぶ直線と平行で原点を通る直線上の点zは、t を実数として、
・・・Bとおけます(ベクトルの2点を通る直線と同じように考えます)。このとき、
・・・CB,CをAに代入すると、
Bに代入して、
......[テ] (∵
)
(2)
が自然数となるとき、
が自然数なので、
も自然数です。
より
なので、 最も小さな自然数は1なので、
であり、
,即ち、
です。これで、
に限られます。 最も小さな自然数は1なので、
であり、
,即ち、
で、
に限られます。
のとき、
は自然数ですが、こうなる自然数cは、
だけです。
よって、
,
が自然数にならず不適です。
のとき、
は自然数ですが、こうなる自然数cは、
だけです。
よって、
,
・
のとき、
が自然数です。 最も小さな自然数は1なので、
であり、
,
,即ち、
で、
に限られます。
のとき、
が自然数ですが、こうなる自然数cは、
だけですが、
を満たせず不適です。
のとき、
が自然数ですが、こうなる自然数cは、
だけです。
よって、
,
のとき、
が自然数ですが、こうなる自然数cは、
だけです。
よって、
,
・
のとき、
が自然数です。 最も小さな自然数は1なので、
であり、
,
,即ち、
で、
に限られます。このとき、
が自然数になる自然数cは、
だけです。
よって、
,
以上より、自然数a,b,cの組で、
かつ
が自然数であるものの総数は、4個 ......[ト]
の値が最大になるのは、
......[ナ]
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