空間における2直線の位置関係   関連問題


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この項目については、空間ベクトルを参照してください。
空間における
2直線の位置関係は、右図のような
(i) 交わる (ii) 平行 (iii) ねじれの位置
3通り。

(i) 空間における2直線
l ・・・@
m ・・・A
は、@式、A式のxyzを等しいとおくと、
 ・・・B
 ・・・C
 ・・・D
BとCから、

Bより、
となるのですが、は、Dを満たします。
のとき、@では、
のとき、Aでも、
となります。
ということは、直線
lmともに、点を通るということであって、2直線lmは、点において交わるということを意味します。

空間における平行でない
2直線は、必ずしも交点を持ちません。
を直線
lm上を動く点の位置ベクトル、を直線lm上の1定点の位置ベクトル、を直線lmの方向ベクトル(1次独立)tsを実数だとして、2直線lmベクトル方程式が、
l
m
と表せたとします。
になったときにとなり、
2直線lmを位置ベクトルとする点で交わる、とします。このとき、
 ・・・E
が成り立ちます。Eの見方を変えて、Eを変形し、
 ・・・F
と見ると、これは、を位置ベクトルとする点が、ベクトル方程式(平面のベクトル方程式を参照)
 ・・・G
で表される平面α上の点であることを意味します。Gでとしたときのを位置ベクトルする点が2直線lmの交点です。また、Gでとすると直線lとなり、Gでとすると、Fを用いて、
は、直線mです。つまり、平面αは、交わる2直線lmを含む平面です。
ここで、として、

とすると、を位置ベクトルとする点は平面α上の点ではなく、
も、平面α上の直線ではなく、lと交点を持ちません(後述)
lmが@,Aの場合、Gは、
 ・・・H
となりますが、となるので、Hの両辺ととの内積をとることにより平面αの方程式は、,つまり、
 ・・・I
となります。は、Iを満たすので平面α上の点であり、lmはともに平面α上の直線です。

(ii) 空間における2直線が平行であってかつ、同一の直線でない場合、この2直線は交点を持ちません。

(iii) 空間における2直線
l ・・・J
m ・・・K
は、J式、K式の
xyzを等しいとおくと、
 ・・・L
 ・・・M
 ・・・N
LとMから、

Lより、
ですが、はN式を満たしません。
つまり、直線
l上の点と直線m上の点が同一の点になることはあり得ないのです。これは、この2直線が交点を持たないことを意味します。このような2直線の位置関係を「ねじれの位置」と言います。
l上の点m上の点との距離dを考えてみます。

  ・・・O
右辺を展開して整理すると、

これを
tに関する2次式と見て平方完成すると、

さらに、残りの部分を
sについても平方完成すると、

ですから、となります。ですから、
2直線lm上の点はもっとも近い点同志の距離がであって、ここからも2直線が交わらないことがわかります。
となるのは、,つまり、のときです。
このとき、Jより、
Kより、

l上の点とm上の点との距離の最小値を与える2点は、l上のPm上のQです。
ここで、この
2点を結ぶベクトルは、lmの方向ベクトルに対して、
つまり、は、直線
l,直線mの双方と垂直です。

2直線lm距離と言うことがあります。
また、
2直線lmの方向ベクトルのなす角を、2直線lmのなす角と言うことがあります。

ところで、@,Aで表される直線
lmは交点を持っていました。@とJは同一の直線ですが、AとKはのところが違っていて、JとKは交点を持ちません。はIを満たすので平面α上の点ですが、はIを満たさないので平面α上の点ではなく、このために平面α上の直線でないK(ですが、Kと平面αは平行です)とJは交点を持ちません。
注.は、として、Fでとしたもの、

になっています。でないので、は平面α上の点にはなりません。
2直線lmの距離を求めるのに、lm上の点をtsで表して、lm上の点の距離の2をOのように表し、平方完成を2回行っての最小値として求めるのでは大変です。上記に書いたように、K // αなので、K上の点、例えば、Kでとした点と平面α (I)との距離として、
を、容易に求めることができます。
つまり、ねじれの位置にある
2直線の距離を求めるには、2直線の方向ベクトルの外積を法線ベクトルとする平面αを、直線Jを含み直線Kと平行な平面として、平面αの方程式を、とおいて、J上の点を代入して、を求め、K上の点と平面αとの距離として求めればよい、ということになります。


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