東工大数学'96年前期[4]

関数は微分可能で次の()()()をみたすものとする。
() のとき
()  (ただし、)
() 曲線上の点P ()における接線とx軸との交点をQ,法線とx軸との交点をRとしたとき、線分QRの長さは関係式
をみたす。
このとき次の問いに答えよ。
(1) は単調増加で、に対しをみたすことを示せ。
(2) Pが曲線 ()上を動くときの最小値を求めよ。


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解答 最近、あまり見かけなくなったのまま考えてゆける問題です。こうした抽象的な雰囲気を毛嫌いする受験生が多いのですが、具体的なの形が与えられているよりも、面倒な計算をしなくてすむ分だけラクな問題と思って頂きたいものです。

(1) Pにおける接線は、
x軸との交点Qとして、

()より、 ・・・@
Pにおける法線は、
 ()
x軸との交点Rとして、

 ・・・A
条件()よりにおいて単調増加で、条件()より
よって、@の
Qx座標について、
Aの
Rx座標について、
従って線分
QRの長さは、
条件()より、
よって、
tx ()に書き直して、
 ・・・B
両辺をxで微分すると、
 (合成関数の微分法を参照)
より、 ・・・C
これより、において
単調増加です。・・・D
Bより、
注.ここで、Cより、となり、の具体的な形が求まってしまいます。

は微分可能な関数なので、平均値の定理より、
を満たす実数cが存在します。Dより、

(2) 条件()より、において、
 (商の微分法を参照)
B,Cを用いると、
 ・・・E
において単調増加で
ですが、となる
xの範囲に存在するかどうかはわかりません。
であれば、より、となるxの範囲に存在するので、このxαとします。は単調増加なので、においてはにおいては
また、Bより、
()
よって、
x0


0


増減表より、において最小値をとります(関数の増減を参照)
のときには、においてとなるので、となるxは存在しません。Eにおいて、よりとなり、において単調増加。
以上より、の最小値は、のときのとき ......[]


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