東大理系数学'02年前期[2]
nは正の整数とする。をで割った余りを
とおく。
を満たすことを示せ。
(2) に対して、,は共に正の整数で、互いに素であることを証明せよ。
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解答 多項式の除算と数学的帰納法の融合問題です。(2)では、整数もからんできますが、背理法を用いることで証明ができます。
なお、この問題で登場する数列は、を満たし、東大で頻出のフィボナッチの数列です。
(1) 題意より、に対して、 とおくことができます。
ここで、とすると、 ・・・A
@両辺にxをかけて変形します。
・・・B Aは、をで割った余りがだと言っています。
Bは、をで割った余りがだと言っています。
A,Bを比較することにより、に対して、 ・・・C
i) のとき、 @において、とすると、 より、
よって、,は共に正の整数で、互いに素(最大公約数が1)です。
ii) のとき、成り立つとして、,は共に正の整数で、互いに素です。 ・・・D このとき、,も共に正の整数です。
ここで、,が互いに素ではないと仮定します。 ・・・E (背理法については、証明の技巧を参照)すると、,は2以上の公約数sをもつはずです。
このとき、p,qを正の整数として、,とおくことができます。Cより、 ですから、とが2以上の公約数sをもつことになり、,が互いに素であるとした数学的帰納法の仮定Dと矛盾します。
従って、,が互いに素ではないとした仮定Eは誤りで、,は互いに素です。 よって、のときも成り立ちます。1),ii)より、に対して、,は共に正の整数で、互いに素であることが示されました。(証明終)
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