東大理系数学'08年前期[1]
座標平面の点をへ移す移動fを考え、点Pの移る行き先をと表す。fを用いて直線,,,・・・ を以下のように定める。
・は直線である。 以下を1次式用いてと表す。
(2) 不等式が定める領域をとする。,,,・・・ すべてに含まれるような点の範囲を図示せよ。
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解答 (2)は、もしかして無限角形?と思いきや、やや拍子抜けでした。
: 上の点が移動fによって、どういう点に移動するのかを考え、移動先の点が乗っている直線を求めてみます。
とかとおくことになりますが、かが0の場合には困ることが起きるので、別扱いにして考えることにします。
まず、では、が直線になりません。かのどちらか一方は0になりません。そこで、 (i) のとき、,,とおき、Pとして、実数tがいろいろな値をとるとき、は、直線を描きます。 : より、, ・・・@ ここで、とすると、@と一致するので、(i),(ii)合わせて、
, ......[答]
(2) (1)より、, こうして、たくさんの直線ができるわけですが、無限に存在する直線で囲む図形だとすると、が無限角形になりかねません。
そこで、これらの直線がどのように交点を作るかを調べます。
:と、:を連立すると、,となります。がfによって、どこに移るかを調べます。 となって、自分自身に移ります。
ということは、はとの交点であるとともに、上の点でもあり、繰り返しfによって移動させると、全てのnについて、上の点だということです。
言い換えると、は全てを通る、ということです。
であれば、領域を求めるためには、,,,・・・ の中で、傾きが最大の直線と最小の直線を求めればよいことになります(不等式と領域を参照)。(1)の結果より、 特性方程式は、 ∴ ・・・C B−Cより、 直線の傾きは、 は単調増加な数列で、
また、のとき、,,で、は直線:に近づきます。近づきますが、がに一致するわけではないので、であっても、かつの部分は、という領域に含まれます。
より、,,,・・・ すべてに含まれるような点の範囲は、右図で黄緑色に着色した部分(直線上(点線、及び、白マル)を含まず、直線上のの部分(太線)を含む)。
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