東大理系数学'12年前期[6]

行列に対して
と定める。
abcを満たす実数とする。行列ABCDを次で定める。
また実数xに対しとする。
このとき以下の問いに答えよ。

(1) 各実数tに対して、xの関数
の最大値を求めよ。(ただし、最大値をとるxを求める必要はない。)
(2) すべての実数tに対し
が成り立つことを示せ。


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解答 は対角和と呼ばれ、行列Pの対角成分の和になります。2次正方行列では、成分と成分の和になります。
本問は、途中の計算がかなり面倒で、冷静かつ正確な計算力が要求されます。


(1)  (行列の積を参照)
 ・・・@


@において、とすることにより、
 (2倍角の公式を参照)
これの成分は、
成分は、
よって、

 (加法定理を参照)
なので、
のとき、は、のときに最大値:をとります。
のとき、なのでです。
のとき、は、のときに最大値:をとります。
以上より、
3通りの場合をまとめて、
......[]

(2) @で、とすることにより、

これの成分は、
成分は、
よって、


以上より、
 ・・・A
 ・・・B
この左辺は、 ()とおくと、
相加平均・相乗平均の関係より、

より、
より,また、
とおくと、より、において、
従って、において、
よって、Bが成り立つのでAが成り立ちます。


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