東大理系数学'21年前期[1]
a，bを実数とする。座標平面上の放物線
C：
は放物線
と2つの共有点を持ち、一方の共有点のx座標は
を満たし、他方の共有点のx座標は
を満たす。
(1) 点
のとりうる範囲を座標平面上に図示せよ。 (2) 放物線Cの通りうる範囲を座標平面上に図示せよ。
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解答 (1)は何でもありませんが、(2)は、動く文字が1つなら、その文字について曲線の式を整理し、xの方を固定して文字を動かすことによりyの範囲をxを含む不等式の形に表すことができて、曲線の通過範囲を求めることができます。しかし、本問の場合では文字が2つ動き回るので、そうは行きません。
2変数関数の最大最小問題で、1文字を固定してもう1つを動かし、固定した方の文字を含んだ形で範囲を求めた後、さらに固定していた文字を動かして最大値最小値を求める、という解法があります。これを思い出して、本問でもまず片方を固定、さらにもう１つを動かす、つまり、曲線の動く範囲の境界線に文字を含み、さらにその文字を動かして、境界線の通過範囲を考えることにより、曲線の通過範囲を求める、というようにします。
以上より、点
のとりうる範囲を図示すると、右図黄緑色着色部(境界線を含まない)。 (2) bを固定すると、(1)の図より、
･･･③ であって、①，②より、
･･･④ Cの方程式より、
のとき、
，③より、
･･･⑤
のとき、
④より、
のとき、
，よって、 
･･･⑥
のとき、
，よって、
･･･⑦不等式⑥，⑦で表される範囲(不等式の表す領域を参照)の境界線はいずれも、
･･･⑧ と、
･･･⑨ です。
そこで、bが③の範囲を動くときに、境界線⑧と境界線⑨が動く範囲を考えます。
⑧より、
のとき、
より、⑧はbにかかわらず点
を通過します。
のとき、
③より、
のとき、
，よって、 
のとき、
，よって、これより、境界線⑧：
は、bが
の範囲を動くとき、右図黄色着色部(境界線は含まず、点
を含む)を通過します。
⑨より、
のとき、
より、⑨はbにかかわらず点
を通過します。
のとき、
③より、
のとき、
，よって、 
のとき、
，よって、
これより、これより、境界線⑨：
は、bが
の範囲を動くとき、右図水色着色部(境界線は含まず、点
を含む)を通過します。
境界線⑧，⑨の通過範囲の境界線は、
･･･⑩，
･･･⑪，
･･･⑫ で、⑩と⑪は
，⑩と⑫は
，⑪と⑫は
で交わります。 ･･･⑬
放物線Cは、
においては、⑥より、曲線⑧よりも上にあり、曲線⑨よりも下にあります。従って、放物線Cは、曲線⑧の通過範囲の下限(
では⑫，
では⑩)よりも上にあり、曲線⑨の通過範囲の上限⑪よりも下にあります。
また、放物線Cは、
においては、⑦より、曲線⑨よりも上にあり、曲線⑧よりも下にあります。従って、放物線Cは、曲線⑨の通過範囲の下限(
では⑫，
では⑪)よりも上にあり、曲線⑧の通過範囲の上限⑩よりも下にあります。
よって、⑤，⑬も考慮して放物線Cの通過範囲は、 
のとき、⑩
⑪より、
のとき、⑫
⑪より、
のとき、⑫
⑩より、
のとき、⑪
⑩より、
図示すると、右図黄緑色着色部(境界線上は含まない)。
別解．放物線Cの式をa，bに関する方程式とみて、直線：
が(1)で求めた
の範囲を通過する条件から、線形計画法によって、Cの通過範囲を求めることができます。ですが、やはり、
，
，
，
の場合分けが必要です。
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(1) Cの方程式と
を連立すると、
∴ 
･･･①
∴ 
･･･②
，
の範囲に
かつ
かつ