早大理工数学
'22
年
[4]
一辺の長さが
である正八面体の頂点を右図のように
,
,
,
,
,
とする。各
に対して、
以外の
5
点を頂点とする四角錐
(
すい
)
のすべての面に内接する球
(
内部を含む
)
を
とする。
の体積を
X
とし、
と
の共通部分の体積を
Y
とし、
,
,
の共通部分の体積を
Z
とする。さらに、
,
,・・・,
を合わせて得られる立体の体積を
(
)
とする。以下の問に答えよ。ただし、
(1)
は答のみを解答用紙の該当欄に書け。
(1)
となる整数
a
,
b
,
c
を
の場合について求めよ。
(2)
X
の値を求めよ。
(3)
の値を求めよ。
解答
早稲田らしいオリジナリティー溢れる問題で、空間感覚も必要です。
は正四角錐
に内接する球、
は正四角錐
に内接する球、
は正四角錐
に内接する球です。
と
は正方形
で隔てられているので、
と
には共通部分はありません。
は
以外の
5
点、
は
以外の
5
点を、それぞれ
5
頂点とする四角錐に内接する球であって、
と
は正八面体の対向する頂点です。同様に
と
,
と
には共通部分はありません。
正八面体の対称性から、
と
の位置関係、
と
の位置関係、
と
の位置関係、
と
の位置関係は等しく、共通部分の体積は
X
です。また、
は
以外の
5
点、
は
以外の
5
点を、それぞれ
5
頂点とする四角錐に内接する球であって、
と
は正八面体の
1
辺の両端となる隣接頂点です。
6
個の頂点から
2
個の頂点を選ぶ選び方は、
通りありますが、このうち対向する頂点の組が、
と
,
と
,
と
の
3
通りあり、
と
,
と
,
と
の
3
通りには共通部分がありません。隣接頂点の組み合わせは
12
通りあり、これらの組み合わせでは、共通部分の体積が
X
となります。 ・・・@
また、正方形
の中心、即ち、線分
と線分
の交点を
O
とすると、
は正方形
から
側に位置し、
は正方形
から
側に位置し、
は正方形
から
側に位置し、正方形
,正方形
,正方形
は
1
点
O
を共有していて、
,
,
の共通部分は三角錐
(1
点
O
と正八面体の
1
側面とでできる三角錐
)
の中にあり、この体積が
Z
です。
,
,
と同じ位置関係にあるのは、正八面体が
8
個の側面を持つので、他に、
,
,
など、
8
通りあります。 ・・・A
6
個の頂点から
3
個を選ぶ選び方は、
通りありますが、上記の
8
通り以外、例えば
,
,
のように、
を含まない正五角錐、
を含まない正五角錐、
を含まない正五角錐に内接する球の組み合わせでは、
,
,
が正八面体の側面でない△
をなすため、
と
が共通部分を持たず、
3
個の球
,
,
でも共通部分を持ちません。
4
個の球、例えば
,
,
,
では、
と
が共通部分を持たないため、
4
個の球で共通部分を持ちません。
,
,
,
では
と
が共通部分を持たず、
,
,
,
では
と
が共通部分を持たず、
4
個の球では、共通部分ができません。
5
個の球、
6
個の球でも同様に、共通部分はできません。
上記の考察を論述するのが難しいため、
(1)
では解答のみでよいことになっていますが、論述不要でも考察することは必要です。
(1)
の場合、
と
を合わせて得られる立体の体積
は、
,
の
2
個の球の体積の和から、共通部分の体積を引いて、
・・・B
の場合、
と
と
を合わせて得られる立体の体積
は、
,
,
の
3
個の球の体積の和から、
と
の共通部分、
と
共通部分、
と
の共通部分の体積を引き、引きすぎた
と
と
の共通部分の体積を加え直して、
・・・C
の場合、
4
個以上の球には共通部分がないので、
,
,・・・,
を合わせて得られる立体の体積
は、
6
個の球の体積の和から、@より
12
通りの
2
個の球の共通部分体積を引き、Aより
8
通りの
3
個の球の共通部分体積を加え直して、
・・・D
Bより、
のとき、
,
,
......[
答
]
Cより、
のとき、
,
,
......[
答
]
Dより、
のとき、
,
,
......[
答
]
以後、正八面体の
1
辺の長さが、三平方の定理を使うのにも煩雑なので、
とおきます。
(2)
例えば
の場合、その中心を
とすると、
は
上の点で、右図のように、
,
の中点をそれぞれ
M
,
N
とし、
と球
との接点を
L
とすると、
,
より、△
∽△
∴
:
=
MO
:
・・・E
,
,
より、球
の半径を
として、Eより、
r
:
=
:
よって、
,
より、
・・・F
の体積
X
は、
......[
答
]
(3)
球
の中心
は
上にあって、
は正方形
と垂直なので、
,また、
より、△
は直角二等辺三角形で、Fより、
,
の中点を
D
として、
,よって、
,
の共通部分の体積
Y
は、
の体積
X
のうち、点
D
を通り
に垂直な面から
と逆側の部分の体積の
2
倍です。
の半径は
なので、
を
x
軸にとり、点
で
として点
D
で
となり、積分を行うと、
Bを用いて、
......[
答
]
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