直交座標系・円筒座標系・球座標系


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(この項目は、偏微分全微分面積分体積分を参照してください)
物理では、問題に応じていろいろな座標系を設定します。
各座標系で、座標軸が互いに垂直である場合を考えます。以下の
(1)直交座標系はもちろんですが、(2)の円筒座標系、(3)の球座標系も、座標軸は互いに垂直になります。

簡単な場合で、原点を
Oとして、高校数学に出てくる極座標系で考えます。
が成り立ちます。
直交座標系で
xyの関数としてと表される関数が、極座標系でrθ の関数として、と表されるとします。
です。
このとき、
xyrθ の関数と見て全微分を考えると、

線素を考えると、

 ・・・@
となりますが、根号内に、という項が出てこないのは、
となっているからですが、これは、極座標系でr軸とθ 軸とが直交しているからです。
曲面の点における接平面を、
xy平面に垂直でx軸に平行な平面で切断したときの切り口の直線の傾きは,接平面をxy平面に垂直でy軸に平行な平面で切断したときの切り口の直線の傾きはとなりますが、線素が極座標系で@のように書けるということは、r方向にθ 方向にの長方形を考えて、その対角線として線素が得られると考えれば、曲面の点Pにおける接平面を、rθ 平面(xy平面と同じ)に垂直で動径に平行な平面で切断したときの切り口の直線の傾きは,接平面を、rθ 平面に垂直で動径に垂直な平面で切断したときの切り口の直線の傾きはになると考えられます。

3次元の場合についても、元の座標をとして、互いに直交する座標軸、u軸、v軸、w軸での座標がとなるときには、u軸方向、v軸方向、w軸方向の接線方向のベクトル
の大きさを、
とおくと、線素が、
の形に書けて、関数u方向、v方向、w方向の傾きは、で与えられます。つまり、この座標系においては、
 ・・・A
となります。また、として、

となります。

面積分:


として置換積分することを考えます。
uv平面上において、4点を頂点とする微小な長方形を考えます。この長方形の面積はです。
長方形の
4頂点は変数の変換により、xy平面上では、4頂点とする四辺形に写ります。
は、
vを固定してuduだけ変化させたときのφϕの変化量なので、
同様に、
ここで、
とすれば、四辺形は平行四辺形であり、その面積は、

ここで、ヤコビアン(ヤコビ行列式)と言い、と書きます。これより、
 ・・・B
面積分と同様に体積分についても、,また、ヤコビアンを、
として、
 ・・・C
なお、u軸、v軸、w軸が互いに垂直な場合には、Aのhijについて、ヤコビアンは、
 (接空間の微小直方体の体積です)
となります。

(1) 直交座標系
原点Oを通り互いに垂直になるように、3本の座標軸、x軸、y軸、z軸をとり、座標をx座標、y座標、z座標の3つの座標の組で表します。
高校の空間ベクトルで考える座標系です。
面積分は、,体積分は、として計算します。


(2) 円筒座標系
高校の数学Cで扱う極座標にz軸を付加した座標系です。
平面
π上で原点Oから伸びる半直線を始線とし、始線から反時計回りに角θ 回転させたものを動径とします。さらに、平面πと垂直に、動径の回転方向が右ねじの回る方向だとして右ねじの進む向きに原点Oからz軸を引きます。空間内の点Pからz軸に垂線を下ろしたときの垂線の足のz座標をPz座標、Pから平面πに垂線を下ろしたときに垂線の足と原点との距離をr座標、この足が乗っている動径が始線となす角をθ 座標として、Pの座標をとします。ただし、とします。
直交座標系と
z座標は共通で、x座標、y座標との間に、

という関係があります。



より、線素は、
となり、Aより、関数について、
曲面Uにおける面積分は、Bと、
より、
体積分は、Cと、
 (行列式の求め方については逆行列を参照)
より、

(3) 球座標系
地表で船や台風の位置を表すのに、北緯35度東経139度という言い方をします。経度と緯度の他に、地球の中心からの距離を使えば、全宇宙において位置を一意に指定することができます。
円筒座標系
rθ の考え方は同じです。もう一つ円筒座標系のz軸からの角φを用いて、の組で位置を指定します。
直交座標系の
x座標、y座標、z座標との間に、

という関係があります。





より、線素は、
となり、Aより、関数について、
となります。また、として、

体積分は、Cと、
 (←第3列からをくくり出す)
 (←第1列にを、第2列にをかける)
 (←第1列を第2列に加え、第1列をで割る)
 (行列式の求め方については逆行列を参照)
より、として、


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