上智大理工物理'08年[4]
図のように、x軸上の点 ()に電荷,に電荷の点電荷が固定されている。x軸上の別の点に質量m,電荷q ()の粒子Pを置くことを考える。粒子はx軸上をなめらかに動くことができる。クーロンの法則の比例係数を,無限遠での電位を0とする。
1. ()のとき、の領域での電位は、とによる電位の和で、と表される。に粒子Pをそっと置くと、Pはx軸正の方向に動きだし、無限遠でのPの速さは、となる。 2.同じく、 ()の場合を考える。の領域での電位は、と表される。に粒子をそっと置くと、Pはとの間を往復する運動を始めた。このとき、原点でのPの速さは、となる。 また、のところに粒子Pをそっと置くと、Pは原点を中心に単振動を行い、その周期はとなった。ただし、のとき、次の近似式が成立することを利用せよ。 3.次に、 (),として、の領域で考える。すると、この領域での電位は、と表される。粒子Pをにそっと置くと、Pはx軸正の方向に動きだし、途中において速さが最大となり、最終的に無限遠での速さになる。また、に置いた場合には、粒子Pは無限遠まで遠ざかることはできない。 [ 1 ],[ 4 ],[ 8 ]の選択肢 a) b) c) d) e) f) g) h) i) j) k) l) [ 2 ],[ 5 ],[ 6 ],[ 10 ]の選択肢 a) 0 b) c) d) e) f) g) h) i) j) k) l) [ 3 ],[ 7 ]の選択肢 a) b) c) d) e) f) g) h) [ 9 ],[ 11 ]の選択肢 a) 1 b) c) 2 d) 3 e) f) 4 g) h) i) j)
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解答 [6][7]の近似の指示がやや不親切で戸惑うかも知れません。必ずしも問題文のヒントを意識する必要はないのですが......。
[1] 電荷による電位: 電荷による電位: (g) ......[答]
[2][3] における位置エネルギー: ∴ [2] (i) [3] (a) ......[答]
[4] による電位: による電位: (f) ......[答]
[5] での位置エネルギー: での位置エネルギー: でのPの速さをとして、エネルギー保存より、 (g) ......[答]
[6][7] Pが位置xにいるとき、から受ける力は、x軸負方向で、 Pがから受ける力は、x軸正方向で、 Pが受ける力は、
∴ これは、角振動数の単振動を表しています。周期Tは、 [6] (j) [7] (g) ......[答]
[8] による電位: による電位: (j) ......[答]
[9] Pが位置xにあるときの速さをとすると、このときと、Pが位置にあるときとのエネルギー保存より、 ・・・@ これをとおくと、 とすると、
より、
では,では
よって、において最大で(関数の増減を参照)、最大となります。
において、速さ最大。 (i) ......[答]
[10] @でとすると、 無限遠での速さは、 (f) ......[答]
[11] 位置xにPを置いたときに無限遠まで遠ざかることはない、ということは、位置xにおける位置エネルギーということです。 [8]の結果より、
∴ (d) ......[答]
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