阪大物理'22年前期[2]

1のような回路をブリッジ回路という。いくつかのブリッジ回路に関する問題を考える。ただし、導線の電気抵抗と電源の内部抵抗は、共に無視できるほど小さいものとする。

T.図1の回路において、抵抗1234の抵抗値が、それぞれ[Ω][Ω][Ω][Ω]であるとする。検流計Gに電流は流れていないものとする。直流電源の電圧の大きさをE[V]とする。このとき、以下の問に答えよ。

1 抵抗1に加わる電圧の大きさ[V]と、抵抗2に加わる電圧の大きさ[V]の比を、Eのうち、必要なものを用いて表せ。
2 [Ω]を、を用いて表せ。

U.単一の抵抗に加わる電圧と流れる電流との間の関係を、電流-電圧特性という。電流-電圧特性が直線で表せない抵抗のことを非直線抵抗という。図1の回路が非直線抵抗を含む場合について考える。
1の回路において、抵抗1は非直線抵抗X,抵抗23はそれぞれ抵抗値が[Ω][Ω]の抵抗、抵抗4は非直線抵抗Yであるとする。非直線抵抗Xおよび非直線抵抗Yの電流-電圧特性は未知であるとする。検流計Gに電流は流れていないものとする。直流電源の電圧の大きさをE[V]とする。このとき、以下の問に答えよ。

3 抵抗1に加わる電圧の大きさを[V],抵抗1を流れる電流の大きさを[A]とする。抵抗2にオームの法則を適用することによって、[A]Eを用いて表せ。
4 とする。このとき、以下の(a)(b)2つの場合について、それぞれ答えよ。
(a) 非直線抵抗Xとして、図2()に示される電流-電圧特性を持つ非直線抵抗を用いた場合を考える。このとき、[V],および、抵抗4に加わる電圧の大きさ[V]を、それぞれ有効数字2桁で求めよ。
(b) 非直線抵抗Xと非直線抵抗Yとして、図2()()()()に示される電流-電圧特性を持つ非直線抵抗のいずれかを、それぞれ用いた場合を考える。非直線抵抗Xと非直線抵抗Yの電流-電圧特性として、最も適した組み合わせを答えよ。解答においては、それぞれを()()()()から一つずつ選ぶこと(例:「X()Y())。なお、「X()Y()」のように、XYについて同じ選択肢を選んでもよい。

V.さらに、図3の回路について考える。交流電源の電圧は、最大値が[V],角周波数がω[rad/s]であり、点ウを基準とした点アの電位は、時刻t [s]においてとなる。抵抗56の抵抗値をR[Ω],コンデンサの電気容量をC[F],コイルの自己インダクタンスをL[H]とする。交流電流計は、交流電流の大きさを測定できる装置である。測定の結果、あらゆる時刻において常に、点イと点エの間には電流が流れていないことがわかった。このとき、以下の問に答えよ。なお、図3における矢印の向きを電流の正の向きとする。また、実数αβγθに対して成り立つ、以下の公式を、必要に応じて用いてよい。
 ()

5 抵抗5を流れる電流を、その最大値[A]と、交流電源の電圧との位相差ϕを用いて、と表す。このとき、以下の文中の空欄(a)(d)に入るべき数式を解答欄に記入せよ。ただし、(a)(b)についてはωRLのうち必要なものを用いて表し、(c)(d)についてはωRLのうち必要なものを用いて表せ。

点ウを基準とした点イの電位は (a) と表され、点イを基準とした点アの電位は (b) と表される。これらの和が、交流電源の電圧と等しい。よって、 (c) [A] (d) であることがわかる。

6 コンデンサを流れる電流はと表せる。[A]を、ωRCのうち必要なものを用いて表せ。
7 C[F]を、ωRLのうち必要なものを用いて表せ。


解答 ホイートストン・ブリッジ回路を題材にしていますが、U,は非直線抵抗、V.は交流の問題です。U.の非線形抵抗は見かけないタイプの問題で、ここでは、選択肢の一つずつを調べてしまうことにします。

T.問1 検流計に電流が流れないので、抵抗1に流れる電流はそのまま抵抗2に流れます。オームの法則より、より、 ......[]

2 問1と同様に、抵抗3に流れる電流はそのまま抵抗4に流れ、抵抗3,抵抗4の電圧をとして、,検流計に電流が流れないので、より、 ∴ ......[]

U.問3 検流計に電流が流れないので、抵抗1を流れる電流がそのまま抵抗2を流れます。また、検流計両端の電位は等しくなります。抵抗2にオームの法則を適用すると、抵抗2両端の電圧は,これと抵抗1の電圧を合わせて電源電圧Eになるので、
 ・・・@
......[]
4(a) @は、より、,@のグラフは、を通る直線で、これを図2に書き込むと右図赤線。このグラフと()との交点を読むと、 ......[]

抵抗4に加わる電圧は抵抗2に加わる電圧に等しく、 ......[]
(b) 抵抗4を流れる電流をとして、@と同様に、
 ∴  ・・・A
このグラフは、を通る直線で、これを図2に書き込むと右図青線。となるような組み合わせを探します。
()と@の交点は、(a)より,このときですが、()()はどれもここでAと交わりません。
()と@の交点は、,このときですが、()()はどれもここでAと交わりません。
()と@の交点は、,このときですが、()()はどれもここでAと交わりません。
()と@の交点は、,このときですが、()がここでAと交わります。
よって、
XYの組み合わせは、X()Y() ......[]

V.問5 点ウを基準とした点イの電位は、オームの法則より、  ......[(a)]
点イと点エの間に電流が流れないので、コイルを流れる電流もです。点イを基準としたアの電位、即ちコイルの電圧降下は、 ・・・B  ......[(b)]
(a)
(b)の和が交流電源の電圧に等しいので、

これより、 ......[(c)]
より、 ......[(d)]

6 コンデンサー両端の電圧は抵抗両端の電圧に等しく、
 ∴ ......[]

7 コンデンサーを流れる電流はそのまま抵抗6も流れるので、抵抗6の電圧降下は,これがコイル両端の電圧に等しく、
6の結果を用いて、
 ∴ ......[]



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