波動方程式
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1次元波動方程式:
c:波の伝播速度
1次元波動方程式の一般解:
は任意の関数
正弦波: (複号は波の進行方向を表す。負はx軸正方向、正はx軸負方向)
A:振幅、k:波数、ω:角振動数、δ:初期位相
3次元波動方程式:
平面波: (:波数ベクトル。複号は波の進行方向を表す。負はの方向、正はと逆方向)
弦を伝わる1次元の波で、1次元の波動方程式を求めてみます。右図のようにx軸をとり、線密度ρの弦がx軸と重なるとき、弦に働く張力をTとします。右図でピンク色の長さの微小部分PQの質量はになります。
右図のP点で弦の変位を,離れたQ点で弦の変位を,P点で張力とx軸とのなす角をα,Q点で張力とx軸とのなす角をβとします。右図で、微小部分PQの部分がx軸と垂直な方向に受ける力は、P点で受けるとQ点で受けるの合力で、です。微小部分PQのx軸に垂直な方向の運動方程式は、
微小部分PQがx軸方向には動かないとして、x軸方向の力のつりあいは、
これは、弦に働く張力Tに等しいので、
, 一方で、点Pにおけるの接線の傾きは、
点Qにおける接線の傾きは、
よって、@は、
となり、両辺をで割ると、
ここで、とすると、より、
(弦を伝わる波の伝播速度です)とおくと、
・・・A となり、1次元波動方程式が得られます。3次元の場合は、
として、
・・・B
Aに、
・・・C を代入すると、左辺は、
右辺は、
,
よって、CはAを満たします。Cのうちは、を定数とするとも定数です。このとき、,となりますが、同一の変位のところが速度cでx軸正方向に移動していることを意味します。つまり、はx軸正方向に進む波動を表しています。同様に、はx軸負方向に進む波動を表しています。電磁波も、電磁場が波動方程式A,Bを満たします。
Aの解を変数分離して、 (はxのみの関数、はt のみの関数)とおき、周期性:,を満たすとします。
より、Aは、
両辺をで割って、
・・・D 左辺はxのみの関数、右辺はtのみの関数なので、この値は定数でなければなりません。この定数が0だとすると、よりα,βを定数としてとなりますが、周期性の条件より、より ∴ ,
同様にも定数でも定数です。これでは波動になりません。
Dの定数が正の定数だとしてとおくと、
,,積分して、 (C:積分定数), ()
周期性の条件より、,より
これでは周期性にならないので、Dの定数は負となり、Dをとおくと、
・・・E
・・・F E,Fは単振動の方程式ですが、Fは、
これより、,,積分して、
とおくと、 ・・・G
Gのωをにおきかえて、Eについても、 (B,γ:定数) ・・・H
Gは、周期性の条件より、 ∴ ∴ (n:整数,)
ここでは、をとって、は周期,は振動数、は角振動数です。
Hも、周期性の条件より、 ∴ ∴ (:整数)
ここも、をとって、は波長です。また、 (波の公式を参照)です。
を波数と言います。こうして、
をまとめてA,をδとし、kの前の複号はkに含めてしまうと、
・・・I Aは振幅、δは初期位相です。実際の波動は、
・・・J を考えれば十分です。
I,Jにおいて、前述したように、がx軸正方向に進む波、がx軸負方向に進む波を表すので、のとき、複号が負のものがx軸正方向に進む波、複号が正のものがx軸負方向に進む波を表します。波動が平面波である場合には、波面はx軸に垂直です。
3次元の波動方程式Bの解は、
または、
で与えられます。を波数ベクトル(が波数になります)と言い、この解は、の方向に進み、と垂直な方向に広がる平面波(波面はと垂直)を表します。なお、原点から遠ざかる方向に進む球面波(平面波、球面波については、ホイヘンスの原理を参照)は、原点からの距離をrとして、
で与えられます。を振幅とみると、振幅は原点からの距離に反比例します。
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