北大理系数学'08年前期[3]
関数をとする。
(1) ならば、となることを示せ。 (2) となるxをすべて求めよ。 (3) とし、数列を とする。αの値に応じて、を求めよ。
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解答 定型パターンで速攻解決、と思うと、「甘い」と言われてしまう問題です。
京大理系'84年[6]に、で定義された関数が、,をもち、,1より小さいある定数kについて,をみたすときに、方程式がの範囲にただ1つの解をもち、で定義される数列について、となる(数列の極限を参照)ことを導く、という問題がありました。
とおくと、より、はにおいて減少関数で、,より、は、の範囲にただ1つの解αをもちます。
数列の各項の中にとなる項があれば、より、n以上の整数nについてとなってしまうので、です。
すべての項についてであれば、与えられた仮定によって、平均値の定理により、
をみたす実数cが必ず存在します。この左辺は、
であり、仮定により、 なので、
よって、
∴
ここでとすれば、より (等比数列の極限を参照)と、はさみうちの原理によって、
となります。
この問題以降、に具体的な関数の形を与え、の増減や方程式の解などを調べさせ、で定義される数列の極限を求めさせる、という問題をよく見かけるようになりました。上記のように平均値の定理を使えば簡単にすんでしまうので、解法パターンを覚えてしまえば確実に得点源にできる問題でした。北大でも、'95年理系後期[3]において出題されたことがあります。
実は、2項間漸化式もとみなせば、このタイプの1例に過ぎません。
この北大の問題も、この定型パターンのように見えるのですが、においてとなる場合があるので、喜び勇んで平均値の定理を使って答案を書き始めても行き詰まります。それは、の解が、においてはだけですが、においては,も解になっていて、初項によっては、数列が0や1に近づく場合もあるように問題が作ってあるからです。右図のグラフで、 とたどるとどうなるかを考えてみてください。
ですが、この問題も、平均値の定理が使えなくても、平均変化率を考えれば同様の発想で解決します。
(2) ・・・@ より、 ......[答]
(3) 右上図で考えればわかると思いますが、の場合は、ずっとのままなので極限値もになり、の場合はグラフ上を原点の方に近づいて極限値0,の場合はグラフ上をの方に近づいて極限値1ということになりそうです。下記のようなことが思いつけないときでも、グラフを描いてしっかり説明しておけば、半分くらいは点数がもらえると思います。 平均値の定理が使えないので、極限値をpとして、 ()の形を作るために、右上のグラフで、点と点を結ぶ直線の傾き(平均変化率)に着目します。この問題では、点を,として考えます。
図からわかるように、平均変化率:は0と1の間に収まりそうです。
(i) のとき、,より、2以上のずべての自然数nについて、 となるので、 @より、
これより、
のとき ・・・A
のとき ・・・B
となります。 (ii) のとき、 と仮定すると、Aより、 となるので、すべての自然数nについてです。しかも、です。
従って、すべての自然数nについて、です。
ここでは、平均変化率を考えていることに注意してください。
において関数を考えると、 これより、
また、が増加関数であることから、であれば、 つまり、数列はn増大とともに減少する数列です。
これより、すべての自然数nについて、 とおくと、であって、
(iii) のとき、 と仮定すると、Bより、 となるので、すべての自然数nについてです。しかも、です。
今度は、平均変化率を考えます。 なので、です。
において関数を考えると、 これより、
また、が減少関数であることから、であれば、 つまり、数列は、n増大とともに減少する数列です。
これより、すべての自然数nについて、 とおくと、であって、
(i),(ii),(iii)より、
......[答]
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