山口大医学部数学'08[4]

とする。2次の正方行列 ()

を満たす。ただし、Oは零行列とする。このとき、次の問いに答えよ。
(1) とするとき、を求めよ。また、 ()を求めよ。
(2) ()BCを用いて表せ。
(3) ()を求めよ。



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解答 現問題文は、「求めなさい」「表しなさい」という表現(個人的には抵抗感が強いです)なのですが、ピンと来ないので、入試問題らしい「数学風」の言い方に改めました。
さて、この問題は、
(1)行列の対角化によって行列の累乗を求めるよくある問題ですが、(2)(3)は、行列の3項間漸化式の問題です。行列では、と言えないので、数値の場合の3項間漸化式と同じようには行きません。行列の漸化式が来年度の入試で流行する可能性も視野に入れて、行列では数値とどう違うのか、考えてみたいと思います。

(1)  (逆行列を参照)
......[]
両辺をn乗すると、


より、
左からP,右からをかけると、
......[]

(2) 問題文中の漸化式は、数列が、3項間漸化式:
を満たすのであれば、

2通りに等比数列の形を作って一般項を求めます。
しかし、行列の列を扱うこの問題では、となるので、等比数列の形を
2通り作ることができません。
ですが、
1通りであれば、等比数列の形を作ることができます。


 ・・・@
注.上記のようになので、は成り立ちません。

@を繰り返して使うことにより、
 ・・・A
2次の単位行列をEとして、
よって、Aより、
 ・・・B

Bと類似の2項間漸化式 であれば、で割って、
 ・・・C
 ・・・D
C−Dとして、
これで等比数列の形を作ることができますが、Bでは、行列に割り算がないので、数列と同じようには行きません。
そこで、
階差数列の和を求める方法を応用して、以外の項が消去されてしまうようにします。

 (Bでとした式の左からCをかけた)
 (Bでとした式の左からをかけた)
・・・・・・
 (ここで、なので、に注意)
辺々加え合わせると、,・・・,が消えて、
 ・・・E
......[]

(3) Eの右辺に出てくる項は、(1)の結果を使って、
より、
 (等比数列の和の公式を使用)
これより、Eから、
......[]


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