阪大理系数学'23年前期[5]
1個のさいころをn回投げて、k回目に出た目をとする。を
により定義し、が7の倍数となる確率をとする。
(1) ,を求めよ。 (2) 数列の一般項を求めよ。
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解答 結局、さいころをn回振って出た目の和が7の倍数となる確率、と同じなのですが、難問に見えてしまいます。なお、整数を整数で割ったときの余りについては、剰余類を参照してください。
(1) さいころを1回投げると、1から6の目が出ますが、どれも7で割り切れないので、が7の倍数となる確率は、 ......[答] さいころを2回投げると、
の各々について、を7で割った余りは、となります。その各々について、となれば、は7の倍数になります。
,つまり(こうなる確率は)のとき、となる確率はです。
,つまり (こうなる確率は)のとき、となる確率はです。
,つまり (こうなる確率は)のとき、となる確率はです。
即ち、,が何であっても、が7の倍数となるようなが出る確率はで、これより、が7の倍数となる確率は、 ......[答]
(2) ですが、 ・・・@ これに基づいて、から出発してがどうなるかを考えてみます。@でとして、です。
が7の倍数のとき(確率)、が何であってもは7の倍数です。このとき、が1〜6のどれであっても、は7の倍数にはなりません。
が7の倍数でないとき(確率)、まず、のときを考えてみます。(1)の検討によるとの場合にはは7の倍数です。この場合以外について、を7で割った余りを以下の表に示します。以下の表で、です。の値に対するの値をのように書きます。また、を7で割った余りをのように書きます。 | | | | | | | | | | | | | |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 3 | 4 | 5 | 6 | 0 | 1 |
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 4 | 5 | 6 | 0 | 1 | 2 |
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 5 | 6 | 0 | 1 | 2 | 3 |
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 6 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
表より、のいずれの場合についても、それに対応して、であればが7の倍数になります。
つまり、が7の倍数でない場合、も7の倍数でなく、を7で割った余りは1〜6のどれかであり、そのどれであったとしても、が7からその余りを引いた数の目であれば、は7の倍数になります。
以外の場合()も同様で、が7の倍数でないならは7の倍数でなく、を7で割った余りは1〜6のどれかであり、そのどれであったとしても、が7からその余りを引いた数の目であれば、は7の倍数になります。
以上をまとめると、が7の倍数でない場合(確率)、は7の倍数でなく、を7で割った余りは1〜6のどれかであり、そのどれであったとしても、が7からその余りを引いた数の目であれば(この確率は)、は7の倍数になります。
が7の倍数になる確率は、です。
@での場合も同様に考えると、が7の倍数であればも7の倍数であり、が1〜6のどれであっても、は7の倍数になりません。
が7の倍数でないとき(確率)、のいずれであってもは7の倍数でなく、を7で割った余りは1〜6のどれかであり、そのどれであったとしても、が7からその余りを引いた数の目であれば(この確率は)、は7の倍数になります(この確率は)。よって、 とおくと、 ・・・B ∴ A−Bより、
これは、数列が、初項,公比の等比数列であることを意味します。よって、 ∴ ......[答] 注.問題のカラクリが見えてしまえば、本問は、漸化式において、が7の倍数であるかどうか、ということと、が7の倍数であるかどうか、ということが同値だということがミソになっている問題だということが分かります。つまり、本問は、n回目に出た目をとして、が7で割り切れる確率を求めよ、という問題と同じ問題だということです。最初から分かっていれば苦労はないわけですが、出題者は、問題を複雑に見せるために、とせず、にをかけてとして出題した、ということです。 が7の倍数となる確率を求めよ、という問題でも同じです。
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