慶大理工数学'06年[B1]
整数p,q,r,α,β に対し、次のようなx,yについての連立1次方程式を考える。
以下では、とする。
(1) 解x,yをp,q,r,α,β を用いて表しなさい。解答欄には答だけを書きなさい。
(2) 整数p,q,rに関する条件は、任意の整数α,β に対し解x,yが整数であるための必要十分条件であることを証明しなさい。 (3) のとき、に対する解のxの値が2となるような整数の組をすべて求めなさい。
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解答 整数と行列の融合問題です。
・・・@ より、が存在して(逆行列を参照)、@の両辺に左からかける(行列の積を参照)と、
(2) (1)の結果より、整数p,q,rが,つまり、を満たすとき、任意の整数α,β に対し、解x,y,即ち、 , または、
, はいずれも整数になります。
逆に、任意の整数α,β に対し解x,yが整数であるとき、(1)の結果より、
・・・A
・・・B Aより、p,rの最大公約数をd,また、,を整数として、,とおくと(このとき、はdの倍数)、 であれば、は整数になりますが、 (または)であってもよいことになります。である必要はありません。
しかし、Bでは、α,β が任意の整数をとるとき、は任意の整数をとり得ます。
任意の整数をとりうるということは、となることもあり得るということです(例えば、,のとき)。
このとき、を満たすyが整数となるためには、
このとき、も整数です。
従って、任意の整数α,β に対し解x,yが整数であるとき、
以上より、整数p,q,rに関する条件は、任意の整数α,β に対し解x,yが整数であるための必要十分条件です。
(3) のとき、 ,
・のとき、 D−C×qより、
Cより、
∴
p,qは整数だから、 または ,
前者のとき、,,後者のとき、,
・のとき、 C×q−Dより、
Cより、
∴
p,qは整数だから、, または ,
前者のとき、,,後者のとき、, ∴ ......[答]
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