慶大理工数学'07[A4]

(1) 不定積分を計算して
 テ  (Cは積分定数)
を得る。
(2) 座標空間内で、各時刻t において2つの動点を結ぶ直線を考える。時刻t 0から2まで進むとき、この直線群が作る曲面とxy平面、yz平面、平面によって囲まれる立体をDとする。
平面 ()によるDの断面積をとするとき、
 ト ( ナ )
である。よって、Dの体積は ニ である。
次に、立体
Dy軸のまわりに1回転させて得られる回転体Kの体積について考える。 ()とおいて、fの逆関数とする。このとき、回転体Kの体積V
と表せる。ここで、であることに注意して置換積分法を適用した上で、(1)の不定積分などを用いて、 ネ を得る。


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解答 この問題は、なかなか手ごわいです。

(1) ()  (部分積分法を参照)

......[]
別解 「不定積分を計算して」と書いてあっても、
として、より、

として、部分積分法の計算をなるべく避ける方が無難です。

(2) () 点を結ぶ直線上の点について、この直線の方向ベクトルが、
であることから、kを実数として、
 (直線のベクトル方程式を参照)
ここで、として、

のとき、
だから、
のとき、
(による断面はyz平面上の線分)
のとき、
平面による
Dの断面は、y軸と直線,曲線 ()で囲まれる部分(右図黄緑色部分)であり、その面積は、
 ・・・@
 (定積分と面積を参照)
......[]
() 平面 ()によるDの断面をxy平面上までz軸に垂直に平行移動した図形は、y軸と直線,曲線 ()で囲まれる部分(右図黄色部分)であり、その面積は、
とおくと、xのとき、u (置換積分を参照)
@の積分と見比べて、
 ・・・A
のときもなので、Aが成立。
......[]
() よって、Dの体積は、
 (定積分と体積を参照)
......[]
() 立体を回転と言っても、あるy座標のところで回転体を切ったときの断面の円を考えれば良いのです。立体Dy軸の周りに回転するのですが、直線群を回転しても同じことなので、2を結ぶ直線上の点をy軸の周りに回転すると考え、直線上の点 ()y軸との距離を考えます。
y座標がのとき、直線上の点とy軸との距離L2乗は、
より、において、は、 または のときに最大(y軸から最も遠い)となります(2次関数の最大最小を参照)
のとき、のとき、ですが、
1のどちらが大きいかを考えます。
となるのは、のときです。
以上より、平面で回転体を切ったときの断面にできる円の面積は、
,つまり、のとき、
,つまり、のとき、
回転体の体積
Vは、
逆関数を考えると、より、です。
これより、
 (y軸の周りの回転体を参照)
e ......[
]
() 
は、とおくと、より、yのとき、x (置換積分を参照)
 (部分積分法を参照)
 ((1)の結果を用いた)
よって、
......[]


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