慶大理工数学'21年[4]
(1) aはを満たす定数とする。の範囲で不等式
が成り立つことを示しなさい。
(2) bを実数の定数とする。の範囲で不等式 が成り立つようなbの最小値はである。
(3) nとkを自然数とし、
とおく。を求めると、である。また である。
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解答 (3)の積分計算が簡単にできないので、他の方法を考えることになります。(1)(2)の不等式は何のためなのか、と考えると、道が開けると思います。
(1) とおくと、微分して、 ∴
において、より、のグラフは上に凸で各点における接線から下側にあります。
より、のにおける接線は、
以上より、において、
がのにおける接線、ということは、のとき、がにおいて単調増加でのグラフが上に凸なことと ()であることから、原点を通る直線は、においてと交わることになります。この交点のx座標をとすると、においては、となってしまいます。よって、bの最小値は ......[タ] 注.上記ではややいい加減に見えるかもしれません。厳格に考えるなら、まず、とすると、,とすると,において、においてよりはにおいて最大値をとります。よって、,両辺にをかけて,においては,ここでとすると、であって、はさみうちの原理より,これより、 つまり、よりです。とおき、とすると,において,においてより、はにおいて最大値をとり、と合わせて、方程式は、において解を持ちます。このとき、においてつまり、となります。
ですが、試験場でこんなことやっていたら合格は無理です。慶応理工では、結果のみが問われているのでムダな時間を使わないようにしてください。
(3) (1)(2)の不等式を利用して、はさみうち、に持ち込みます。
被積分関数の中では、となっているので、(2)は、xに ()を代入して使うことになります。(1)は、とすると、としても、を満たせるのか不明です。従ってとしなければならず、そうすると、ここでも、xにを代入して使います。
つまり、(1)において,(2)においてとし、(1)(2)においてxに ()を代入することにより、 より、 ここでとすると、
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