東工大数学'04年前期[2]

次の問いに答えよ。
(1) を連続な偶関数、mを正の整数とするとき、
を証明せよ。
(2) 正の整数mnを満たしているとき、

を証明せよ。
(3) 極限値
を求めよ。


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解答 (1)は積分区間を分けることにより、あっさりと解決します。(2)は、被積分関数の形をよく見て、(1)を利用することを考えます。(3)は、はさみうちの原理を使う東工大で頻出タイプの問題です。なお、三角関数三角関数のグラフ偶感数・奇関数の積分を参照してください。

(1) は周期の周期関数(三角関数のグラフを参照)で、とにおいては、関数の値は正負が異なるだけです。
式で書くと、のとき、であって、
の範囲の積分は、,・・・,と範囲を分けて積分します。
kを満たす整数として、とおくと、
ここで、置換積分を行って、積分という積分範囲をにすることを考えます。
とおくと、
xのとき、?
kが偶数のとき、は奇数であって、
kが奇数のとき、は偶数であって、
は偶関数だから、任意の実数
xに対して、が成り立ちます。
従って、が成り立ちます。
よって、
kが偶数か奇数かにかかわらず、
が成り立ちます。
つまり、
 (証明終)

(2) まず、証明すべき不等式において、不等式の不等号に挟まれた部分の積分の形を左辺、右辺の積分と同じような形にすることを考えます。
において、とおくと、xのときt
(置換積分参照)
より、
各辺をnで割り、とおくと、
 ・・・@
さらに、@の左辺は、より、
@の右辺は、より、
・・・A

とします。このは、を満たすので、それぞれ偶関数です。
従って、
(1)を利用して、
右辺に出てくる積分は、においては、だから、
・・・B
Aより、 (証明終)

(3) Bの積分で、とおくと、xのとき、u
(置換積分参照、は偶関数であることに注意)
さらに、とおくと、uのとき、?
(置換積分参照)

 (半角の公式を参照)
これを用いると、(2)の不等式より、
・・・C
ここで、よりとすると、はさみうちの原理より、
このとき、Cにおいて、左辺,右辺となるから、はさみうちの原理より、
......[]


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