東大理系数学'03年前期[1]
a,b,cを実数とし、とする。2次関数が次の条件(A),(B)を満たすとする。
このとき、積分のとりうる値の範囲を求めよ。
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解答 無難に済ませるのであれば、定数の分離という技巧を使って計算してしまうのが良いと思います。別解で2次関数を考えてみます。
(A)より、 ・・・@, ・・・A
@+Aより、 ∴
A−@より、 ∴
(B)より、において、, ・・・B
Bの形のまま、2つの2次関数の大小関係を扱うのは厳しいものがあります。
x以外の文字aがB式の中に一つしか出てこないので、定数の分離という技巧を使います(微分法の方程式への応用(2)を参照)。
文字aを単独に切り離して、定数aとxの関数の大小を比べるようにするのです。
においてなので、Bの両辺をで割ると不等号の向きが変わります。
として、とおくと、
とすると
のとき、,より、
増減表より(関数の増減を参照)、において、
Bは、を代入してみると、aの値にかかわらず成立することがわかります。
よって、において、 ・・・C
を微分して、
Cより、 ......[答]
別解 Bを2次関数で考えてみます。
, という2つの2次関数を考え、においてつねにとなる条件を考えます。
まず、だとすると、であり、なので、となってしまいます。よって、が必要です。
のグラフは下に凸な放物線です。
のとき、のグラフも下に凸な放物線です。aの値が大きくなると放物線は鋭くなるとともに、頂点のy座標:がどんどん小さくなります。
,,,また、のグラフの軸:がの範囲内にあることから、を満たすすべてのxについて、となるためには、aの値が、のグラフとのグラフがの範囲内において接するときのaの値よりも大きければよい、ということになります。
とすると、
・・・D 接するとき、判別式:より、
∴
このうち、接点の座標、つまり、重解がを満たすのは、の方で、このとき、
これより、(A),(B)を満たすaの条件は、となります。
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