東大理系数学'03年前期[4]

2次方程式2つの実数解のうち大きいものをα,小さいものをβ とする。
に対し、とおく。
(1) を求めよ。また、に対し、で表せ。
(2) 以下の最大の整数を求めよ。
(3) 以下の最大の整数の1の位の数を求めよ。


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解答 整数3項間漸化式の融合問題です。

(1) 解と係数の関係より、 ・・・@
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3項の間の関係式を求めるのですが、3項間漸化式 ・・・A を満たす数列の一般項を求めるときに出てくる「特性方程式」と呼ばれる2次方程式:を解くことを思い出します。この2次方程式の解をαβ とすると、Aを、 (公比β等比数列),または、 (公比αの等比数列)と変形することができて、最終的に、一般項を、 ・・・B の形に表すことができます。

ということは、一般項がの形に表せていて、
αβ 2次方程式:の解なら、数列が従う3項間漸化式は、のはずです。ここでは、の関係を問われているので、となることを調べてみます。

αβ は、2次方程式:の解ですから、です。
従って、
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(2) を解くと、
よって、

以下の最大の整数は、 ......[]

(3) (1)で得られた3項間漸化式を用いると、
となるので、数列1の位は、486248624...... という具合に4項ずつ循環してゆくことが予測できます。
これを数学的帰納法で証明することにします。

まず、準備をしておきます。

4項ずれた項の間の関係を調べればよいので、の間の関係を調べます。(1)で得られた漸化式を繰り返して使うことにより、

よって、1の位の数字は、1の位の数字に一致します。・・・()

命題:0以上の整数mについて、1の位の数字が、各々、4862であることを数学的帰納法を用いて証明します。
(T) のとき、1の位の数字は、4862なので、命題は成り立ちます。
(U) のとき、命題が成り立つとして、1の位の数字が、各々、4862だと仮定します。
()により、1の位の数字は、1の位の数字に一致します。10の位の数字は1の位には寄与しないので、1の位の数字84だけ見てゆけばよいのです。1の位の数字は、1の位の4になります。・・・B
同様にして、
1の位の数字68から、1の位の数字は、1の位の8になります。
1の位の数字26から、1の位の数字は、1の位の6になります。
1の位の数字42から、1の位の数字は、Bより、1の位の2になります。
よって、においても、命題が成立します。

(T)(U)より、命題が証明されました。

ところで、より、です。
ですが、上記の命題より、
1の位の数字は、より、6です。
1の位のの数字は、より、と同じく、6 ......[]


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