東大理系数学'05年前期[6]

rを正の実数とする。xyz空間において


をみたす点全体からなる立体の体積を求めよ。


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解答 この問題は過去にも類題があります。問題文の書き方はかなり違いますが、実質的に、'94前期[3]'98前期[6]と同様の問題です。

 ・・・@
 ・・・A
 ・・・B
この問題は、@とBだけなら、半径rの円を断面とする円柱を垂直に交わらせたときの共通部分の体積になって、中堅大学でもしばしば見かける問題です。
共通部分にできる立体を、平面
()で切ったときの断面は、@,Bのxkで置き換えて、
より、

この2つの不等式の表す領域は、一辺の正方形です。
断面積は、
より、の範囲で積分を行うと、この体積は、

 (立体の体積)

この問題では、@,Bにさらに、Aが付け加わります。
ですが、これでも、不等式の個数が
1つ増えただけで、基本的には何も変わりません。積分の計算はかなり面倒になりますが。
やはり、平面で立体
Kを切った断面の面積を求めて積分します。
@,Bの
xkで置き換えると、先と同じように、
より、

Aが表すのは、半径rの円から外側の部分です。
結局、断面にできる図形
Gは、一辺の正方形から、半径rの円の内側を取り除いた部分になります。
右図は、断面にできる図形
Gx軸と垂直な方向にyz平面上まで平行移動させたものです。
原点
Oと正方形の頂点Bとの距離dは、
切断面上にできる円: ・・・C と正方形の辺とが交点をもつためには、円の半径rについて、である必要があります。よって、
2乗して、
 ・・・D
x座標kがDを満たす範囲に立体ができます。この立体は、の部分との部分とで対称なので、以後はとして考え、の部分の体積を2倍することにより立体Kの体積を求めることにします。

3ABCを、ABCとします。
Cと辺
ABとの交点Dは、Cにおいてとして、 () より、D
同様にして、Cと辺BCとの交点Eは、E
断面Gの面積は、正方形OABCの面積から、2個分の面積を引き、さらに扇形ODEの面積を引いたものを4倍したものになります。
正方形
OABCの面積は、
の面積は、
として、扇形
ODEの面積は、


・・・・・・E
求める体積Vは、をDの範囲で積分したものになります。前述したように、対称性より、
Eの中でθはkでは積分できないので、置換積分することを考えます。が開けるように、とおくと、のとき、? (置換積分(その2)を参照)
また、 ()

 (部分積分法を参照)

 (置換積分を参照)


……[]


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