早大理工数学'23年[1]
nを自然数として、整式
を
で割った余りを
とおく。以下の問に答えよ。
(2) 全てのnに対して、
と
は7で割り切れないことを示せ。 (3)
と
を
と
で表し、全てのnに対して、2つの整数
と
は互いに素であることを示せ。
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解答 簡単そうに見えますが、やってみるとつまづきます。
とおくと、両辺に
をかけて、 よって、
・・・@
・・・A ......[答]
(2) 常套的な方針で考えるなら、背理法で、
,
を整数として、
,
と仮定すると、
,
が7の倍数になって矛盾、という風に進めたいわけです。やってみると、
・・・@'
・・・A'@'×3−A'とすると、
となってうまく矛盾が導けず困ります。
そこで、
とやってどうなっているのか確認してみよう、ということになります。 よって、
,
よって、
,
,
を7で割った余りは、それぞれ、3と2です。
,
を7で割った余りは、それぞれ、3と2です。
,
を7で割った余りは、それぞれ、3と2です。(3)をやってみると納得が行くのですが、これで、常套的方針では矛盾がうまく導けない、ということが分かります。
@,Aを使って
,
を求めると、 となり、nが何であっても、
,
を7で割った余りは、それぞれ、3と2だということになりそうです。そこで、漸化式を用いて、
命題(*):全てのnに対して、
,
は、7で割った余りがそれぞれ3と2になる整数である
(T)
のとき、
,
は整数であり、7で割った余りは、それぞれ、3と2で、命題は成立します。 (U)
のとき、
,
が整数であり、7で割った余りが、それぞれ、3と2であると仮定し、p,qを整数として、
,
とおくと、@,Aより、
よって、
,
も整数であり、7で割った余りが、それぞれ、3と2になり、
のときにも命題は成立します。 (T),(U),数学的帰納法により、全ての自然数nに対して、
,
は整数であり、7で割た余りは、それぞれ、3と2になります。
即ち、全てのnに対して、
と
は7で割り切れません。
(3) @×3−Aより、
@×2−A×3より、
よって、
,
......[答] ・・・B
命題:全てのnに対して、整数
,
が互いに素である
(U)
のとき、
,
が互いに素だと仮定(仮定1とします)し、
,
が互いに素であることを背理法で示します。
,
が互いに素ではない、つまり、mを2以上の整数、p,qを整数として、
,
とおけると仮定(仮定2とします)します。(2)より、
,
は7の倍数でなく、mも7の倍数ではありません。
Bより、
,
(2)で数学的帰納法により証明した命題(*)により、
,
は整数です。mは7の倍数でないので、
,
はともに、7の倍数であり、
,
は整数です。
よって、
,
はともにmの倍数となり、
,
が互いに素だとした仮定1に反します。即ち、
,
が互いに素ではない、とした仮定2は誤りで、
,
は互いに素で、
のときにも命題が成立します。(T),(U),数学的帰納法により、全てのnに対して、整数
,
が互いに素です。
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