直線的変化   関連問題


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圧力p体積V1次式で表せる変化がある。
状態
A (圧力体積)から状態B (圧力体積)へ移る過程の圧力p体積Vは、
となる、これは、p-V図上で、2を通る直線の方程式
状態
Aから状態Bに移る過程で、気体が外部にする仕事Wは、p-V図上の台形の面積として、
で与えられる。

理想気体の状態変化として、教科書には、定圧変化定積変化等温変化断熱変化4通りの変化の説明が書かれていますが、入試では、もう一つ、「直線的変化」とでも呼ぶべき変化も出題されます。
この変化は、上記のグラフのように、
pV図が直線になるのですが、状態A (圧力体積)から状態B (圧力体積)へ移る過程で気体のした仕事が台形の面積として容易に求められるので入試でも取り上げられます。
気体が直線的変化をするのは、
(i)シリンダー内に気体を閉じ込めているピストンにバネがついている問題と、(ii)バネがついていなくてもピストンの上におもりが乗っている問題です。

(i) ピストンにバネがついている問題
右図のように、面積Sのピストンにバネがついている場合、気体の圧力体積の状態Aから、気体にを加えて、圧力体積の状態Bに変化したとします。変化途中の圧力p体積Vとする(この状態をCとします)と、状態Aでバネの縮みとして、ピストンに働く力のつり合いより、
 ・・・@
状態Cでバネの縮みLとして、ピストンに働くのつり合いより、
 ・・・A
@−Aより、 ・・・B
ところで、この間の気体の
体積変化について、 ・・・C
B,Cより、を消去すると、
∴ 
これより、状態
Aから状態Bの過程において、pV図が直線になることがわかります。状態Bにおいて、のとき、なので、直線の傾きは、となります。状態Bでばねの縮みとして、@より、,Aでとして、,Cでのときにとなるので、気体のした仕事は、
これは、状態Aから状態Bに変化するときのバネの弾性エネルギーの変化です。つまり、気体のした仕事はバネの弾性エネルギーの増加分になるわけです。

(ii) ピストンの上におもりが乗っている問題
縦に置かれたシリンダーに気体を封入して質量が無視できる面積Sのピストンでふたをします。ピストンの上に質量のおもりを置き、気体の圧力体積の状態Aから、気体を加熱するか質量を変化させて、気体の状態を変化させ、その過程における、圧力p体積V,おもりの質量mとすると、ピストンには大気圧も加わり、ピストンに働くのつり合いより、
 ・・・@
 ・・・A
@−Aより、 ・・・B
おもりの
質量mを、気体の体積Vに対して、 (cd:定数)となるように変化させると、,これをBに代入して、
 ∴
このときも、pV図は直線になります。気体がバネのような働きをします。

(i)(ii)とも、バネの弾性力、おもりの重力が、シリンダー内の気体の長さに比例することがポイントです。



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