慶大理工数学'08[A4]

(1) tを実数とする。座標平面内の2を結ぶ線分の垂直2等分線の傾きは テ で、方程式はy テ x ト である。
直線に関して点と対称な位置にある点をとする。座標であらわすと、 ナ  ニ である。またの座標をtを用いてあらわすとである。のときは直線y ノ に限りなく近づく。
(2) tがすべての実数をとるときにが描く曲線をCとする。点 ()におけるCの接線の傾きは、のとき ハ に近づく。曲線Cと直線が異なる3点で交わるための必要十分条件は ヒ  a  フ である。


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解答 必要十分条件」と書かれているから、きちんと証明しておかなければ()()の解答を書いてはならないと思い込んでしまうと、「合格」が遠くなってしまいます。くらいを調べれば、曲線Cの大体の姿はわかるので、試験場では、一々微分せずに()()()を埋めてしまうのが利口だと思います。

(1)() 2を結ぶ線分の傾きは、のとき、の傾きはt ......[] (のときもこれでよい)
() 2の中点は、,この点を通って、傾きtの直線は、
 (2直線の平行と垂直を参照)
 (のときもこれでよい)
......[
]
() のとき、 となるので、は、になります(右図水色)
のとき、
は、
......[] (右図黄緑色)
() のとき、
は、 ......[]  (右図橙色)
(ヌネ) とすると、Qが直線に関して対称、ということは(座標平面における対称を参照)
直線が垂直: ・・・@
線分の中点は上: ・・・A
@より、 ・・・B
Aに代入して、

Bに代入して、
よって、()は、2()は、 ......[]
試験場では、となることを確認してください。それと、x座標はともに1です。のときがどこに行ってしまうのか、ということが気になります。も確認しましょう。
のとき、
は、です。なので、の軌跡は、のときにを通過した後、一旦、の部分に出っ張ってから、のときにまで引き返してくるらしい、ということがつかめます。・・・
()
() のときが近づく直線、というのは、漸近線のことですが、のとき、というだけで、()0としてしまっても良いと思います。
きちんと確認するのなら、のとき、
より、漸近線の傾きは0 (実は、空所の形からわかってしまう)で、
より、漸近線のy切片も0
よって、漸近線は ......[]
漸近線がx軸であることと、()から、(2)()()()は微分計算しなくても、答がわかってしまいます。微分計算をやってしまうと時間的ロスが大きくなるので、試験場では充分に注意してください。
(2)() 試験場では以下のようにするのが実用的です。

(1)から曲線Cは、でとがっていて(尖点と言います)のときの接線は、のときの (傾き:1)に垂直になりそうです。従って、接線の傾きは、のとき、 ......[] に近づくことがわかります。
(ヒフ)これで、曲線Cの概形が右図のようになることがわかってしまうので、曲線Cと直線が異なる3点で交わるための必要十分条件は、
()は、0()は、1 ......[]
きちんとやるのであれば、以下のようにします(媒介変数表示された関数の微分法を参照)として、

とすると、
,または、
とおくと、
より、は単調増加な関数(3次関数の増減を参照)で、より、方程式の範囲に解をもっています。これをαとします。
t
α
1
00
x
1

増減表より(関数の増減を参照)tから次第に大きくしてくると、それに伴ってxは、までは増大し、曲線は左から右に進みますが、においてはxは減少し、曲線は、右から左に引き返す感じになります。においてはxは増大し、再び、左から右に進みます。
t

1
00
y1

2つの増減表からグラフの概形は右上図のようになります。
において、
のとき、より、
()
グラフの概形より、は曲線
C(微分法の方程式への応用(2)を参照)
のとき、第
4象限でのみ1交点をもち、
のとき、
1交点をもち、
のとき、第
3象限で1交点、第1象限で、曲線のの部分、また、曲線のの部分で、計3交点をもち、
のとき、第
3象限で1交点、第1象限で1交点,合わせて、2交点をもち、
のとき、第
3象限で1交点をもつ、
従って、曲線
Cと直線が異なる3点で交わるための必要十分条件は、
これで、
()0()1,ということになります。


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