京大理系数学'07年前期甲[1]
次の各問にそれぞれ答えよ。
問1.,とするとき、 を求めよ。
問2.得点1,2,・・・,nが等しい確率で得られるゲームを独立に3回繰り返す。このとき、2回目の得点が1回目の得点以上であり、さらに3回目の得点が2回目の得点以上となる確率を求めよ。
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解答 問1.は、ハミルトン・ケーリーの定理と多項式の除算を利用する典型問題です。問2.は、うまい考え方もあるようですが、ここでは実用的に、余事象を考えてみます。なお、重複組み合わせを利用する別解を付記しておきます。
∴ ・・・@
とおき、を@と同型の多項式で割る(多項式の除算を参照)と、商が,余りが,よって、 また、@を用いると、
......[答]
問2. 1回目,2回目,3回目の得点をx,y,zとすると、となる確率を求めたいわけです。 そのまま場合の数を数えても良いのですが、余事象を考えてみます。
‘',つまり‘かつ'の余事象は、‘または'です。
‘'という事象ではzは任意なので、x,yについてのみ考えます。x,yの出方は、全部で通りあります。
‘'という事象と‘'という事象とは排反でありまた同様に確からしく、‘または'という事象の余事象は‘'です。 ‘'という出方は、n通りあります。よって、‘'となる確率は、 ‘'という確率も同様に
ところで、‘'かつ‘',つまり‘'となる場合の数は、n個の異なるものから3個を選ぶ組み合わせの数であって、通り。x,y,zの出方は、全部で通りあります。
‘'となる確率は、 求める確率は、 ......[答] 別解 x,y,zの出方は、全部で通りあります。1からnまでn個の数字を並べて書いておき、n個の各数字の右側nカ所のどこかに3本の境界線を書き込み(1つの数字の右側に複数の境界線を書き込んでも構わない)、各境界線の左にある数字をx,y,zとすると、となる1つの場合を作ることができます。
‘'となる場合の数は、n個の数字と境界線の並べ方を数えれば良いのですが、1の左に境界線が来てはいけないので、2からnまでの個の数字と3本の境界線を置くべき個の位置から境界線を置く3カ所を選ぶ組み合わせの数に等しく、通りあります(重複組み合わせを参照)。
求める確率は、 ......[答]
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