東大理系数学'10年前期[5]
Cを半径1の円周とし、AをC上の1点とする。3点P,Q,RがAを時刻に出発し、C上を各々一定の速さで、P,Qは反時計回りに、Rは時計回りに、時刻まで動く。P,Q,Rの速さは、それぞれm,1,2であるとする。(したがって、QはCをちょうど一周する。)ただし、mはをみたす整数である。△PQRがPRを斜辺とする直角二等辺三角形となるような速さmと時刻tの組をすべて求めよ。
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解答 回転運動の問題のように見えますが、実質的には整数問題です。総当たりチェックする範囲を絞ることが目標です。以下では、tの可能性を6通りに絞り、その各場合について、を満たす整数mを探すことになります。
円の中心を原点O,に沿ってこの方向にx軸,を反時計回りに回転した方向にy軸をとり、点Aの座標をとします。
3点P,Q,Rが円周に沿って移動した距離は、,t,で、半径が1なので、この距離はそのまま回転角の大きさとなり、P,Qが反時計回り、Rが時計回りに動くことから、P,Q,Rの時刻tにおける座標は、
円周に内接する△PQRがPRを斜辺とする直角二等辺三角形になるための必要十分条件は、
PRが円の直径であって、かつ、
となることですが、PRが円の直径であるためには、
かつ ・・・@ 弦QRの上に立つ円周角は円周角のなので、
よって、 (内積を参照)
においては、より、
() ∴ ・・・A
@より、
のときにはとなり得ないので、両者がともに成り立つためには、
Aより、
() よって、jを整数として、
∴ ・・・B
より、
・のとき、Cは、 ・のとき、Cは、 ・のとき、Cは、 ∴ このうち、Bの右辺分子のが分母ので割り切れるのはのみで、このとき、
また、Aより、 ・のとき、Cは、 ∴ このうち、Bの右辺分子のが分母ので割り切れるのはのみで、このとき、
また、Aより、 ・のとき、Cは、 ∴ このうち、Bの右辺分子のが分母ので割り切れるのはのみで、のとき,のとき
また、Aより、 ・のとき、Cは、 ∴ このうち、Bの右辺分子のが分母ので割り切れるのはのみで、このとき
また、Aより、 以上より、
......[答]
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