東大理系数学'23年前期[4]

座標空間内の4OABCを考える。

(1) を満たす点Pの座標を求めよ。
(2) Pから直線ABに垂線を下ろし、その垂線と直線ABの交点をHとする。を用いて表せ。
(3) Qにより定め、Qを中心とする半径rの球面Sを考える。Sが三角形OHBと共有点を持つようなrの範囲を求めよ。ただし、三角形OHB3OHBを含む平面内にあり、周とその内部からなるものとする。

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解答 (3)は、(1)で何をやっていたのか、ということに気づけないとお手上げになります。

(1) とおきます。より、
 ∴
より、 ・・・@
より、
@より、,これを代入して、 ∴

よって、
P ......[]

(2) Hは直線AB上の点なのでpを実数として、 ・・・@ とおけます。


より、
 ∴
@より、 ......[] ・・・A

(3) 最初から座標を入れてしまって、
Qから3OHBを含む平面内に下ろした垂線の足をRとして、

として、を調べるのでは破綻します。stの複2次式では、stが任意の実数をとるときの最小値は求められますが、stに制限がつくときの最大最小を求めるのは無理です。

とおいて、,Aを用いて、

 ( )
として、を代入すると、


 ・・・B
という複2次式が得られます。この複2次式により、,つまり、のときに、が最小値2をとることがわかります。ですが、Rは三角形OBHの内部または周上の点なので、とおいたときに、という条件がつきます。は、この条件を満たさず、三角形OBHの外部の点になってしまいます。
という条件がついてしまうと、複
2次式Bの最大最小を求めるのは無理です。
ここで暗礁に乗り上げます。

上記で、
Qと平面OBH上の点Rとの距離が最小になるとき、Rは三角形OBHの外部に来てしまうことがわかります。ということは、図形的に捉えると、三角形OBHの内部または周上の点で、Qとの距離が最小になるものは三角形OBHの周上の点、最大となるものは三角形OBHの頂点のどれかになるはずです。
まず、
Qとの距離が最小になるとき、平面OBH上の点Rは、Qから平面OBHに下ろした垂線の足に来ます。Hは直線AB上の点なので、平面OBHを作るベクトルを,と考えるのではなく、平面OBHと平面OABは同じものなので、平面OABを作る,と考えます。
つまり、最小を与えるは、双方に垂直です。これで
(1)の意味が見えてきます。(1)は、に平行だ、というヒントだったのです。

Qと平面OBH,つまり平面OABとの距離の最小値を与える平面OAB上の点Rをまず求めます。//なので、nを実数として、とおけます。このとき、
 ・・・C
は、に垂直なので、
 ・・・D
(1)の結果と、より、
 ( )
Dより、 ∴ ,Dより、
ということは、Qから平面OABに垂線を下ろすと、垂線の足は、OA31に内分する点になります()。Aより、HAB21に内分する点なので、三角形OBHの内部または周上の点でQとの距離が最小になる点は、辺OH上にきます。辺OH上の点Rは、t を満たす実数として、で与えられます。
より、QRの距離の2乗は、より、
 ( )

よって、のときは最小値をとります。よって、Sが三角形OHBと共有点を持つSの半径rは、 ・・・E
また、上記の
()より、Qとの三角形OBHの内部または周上の点でQとの距離が最大になる点は、頂点OBHのいずれかになります。



より、距離の2乗の最大値はで、Sが三角形OHBと共有点を持つSの半径rは、 ・・・F
E,Fより、
......[]

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