早大理工数学'06[5]

動点Px軸のの部分、動点Qy軸のの部分をを満たしながら動く。このとき線分PQが動いてできる領域をFとする。またOは原点とし、αとする。
を満たす
sを固定したとき、点Fに属するようなyの最大値をtとし、線分PQが点を通るときのαの値をθ とする。以下の問に答えよ。
(1) が成り立つsの範囲を求めよ。
(2) s(1)で求めた範囲に属さないときstθ で表せ。
(3) Fの面積を求めよ。


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解答 アステロイドになるのだろうということは予測がつきますが、問題文をぱっと見ただけでは、(1)が何を要求しているのかが読み取れないかも知れません。いきなり(1)を解答しようというのでなく、外堀を埋めることから始めます。
直線
PQの傾き(負です)の絶対値が最も大きくなるのは、PQのときです。このとき、です。
題意を満たすように線分
PQが動くとき、αは、の範囲を動きます。

であれば、なので、直線
PQの方程式は、
 ・・・@
のときには、PQであって、直線PQの方程式は、
また、このとき、直線PQ上の点で、 ()に対応する点のy座標は、です。

のとき、Bでとおくと、


これより、直線PQ上での点で、 ()に対応する点のy座標は、 ・・・A
のとき直線PQ,つまりに対応するy座標もですが、Aはこれを含んでいます。
においてAの最大値を考えます。

 (微分の公式を参照)
とすると、の範囲において、 ・・・B
このとき、なので、,つまり、 ・・・C

sの範囲にあれば、Bを満たすαが存在して、このαとすると、においては、においては、となるので、のとき、つまりBが成り立つときに、yは最大値をとります(関数の増減を参照)。 ・・・D
このとき、なので、であって、にはなり得ないことに注意してください。
Bでとすると、で、です。このとき、で、直線
PQの方程式@は、 となります。のとき、yの最大値は、直線の方程式から、となります。は直線上の点なので、このときのαθ とすれば、です。 ・・・E
Bでとすると、で、であって、にはなりません。

これを見ると、になるのは、だけで、
sの範囲なんて出てこない、と、思うかも知れませんが、ここで、「動点Px軸のの部分」を動く(の部分には行かない)、という問題文の条件にピンと来ないといけません。
なので、の場合が残っています。


(1) 上記で、Cが満たされないとき、つまり、のとき、Bを満たすαは存在せず、において、よりyαの増加関数で、yのときに最大値tをとります。は直線PQ 上の点なので、このときのαθ とすると、となります。
上記のEも含めて、が成り立つsの範囲は、 ......[]
注.遠回りなことをやらせる誘導がついていますが、要するに、この問題では、右図のように、領域Fの部分の上側の境界線(xに対してyが最大となる点の集合)が、直線: になるということを言っています。

(2) のとき、上記のCより、yの最大値tは、A,B,より、
 ・・・F
yが最大値tをとるとき、は直線PQ上の点で、このとき、なので、Bより、
(のときにも成り立ちます)
のとき、Fより、
のとき、明らかに、領域Fには、となる点はしかなく、ですが、これも含めて、
.......[] (アステロイドを参照)

(3) 領域Fのうち、の部分は、下底,上底,高さの台形で、その面積は、
の部分は、曲線:x軸の間に挟まれた部分で、その面積は、
と置換すると、より、xのとき、θ (置換積分を参照)

 (2倍角の公式を参照)
 (半角の公式を参照)




求める面積は、
......[]


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