京大物理'03年前期[2]

次の文をよく読んで、  に適した式または数値を、それぞれの解答欄に記入せよ。なお、,を満たす任意の微小量x,yに対してを用いてよい。

(1) 圧力Pの気体の体積Vが微小体積だけ増加したとき、気体がされた仕事は い である。このとき気体の内部エネルギーがだけ増加すると同時に熱量Qが気体に流れ込む。この熱量Qは熱力学第1法則を考慮すると ろ と表される。

(2) モル比熱とは1molの気体の温度を1K上昇させるのに必要な熱量である。圧力P,体積V,温度Tの1molの理想気体は状態方程式を満たす。ただし、Rは気体定数である。この気体を圧力を一定に保った状態で、体積、温度をそれぞれ,だけ変化させると、= は という関係式が成り立つ。したがって、定圧モル比熱と定積モル比熱の差は= に となる。

(3) 1molの理想気体の圧力、体積、温度をそれぞれP,V,Tから,,に断熱的に微小変化させてみる。このときを比熱比を用いて表すと ほ である。次に状態方程式を考慮して、をP,,T,を用いて表すと へ となるので、= と と書ける。

(4) 今までの議論を踏まえて、地表近くの空気の温度低下率について考えてみよう。地表から10km位までの空気の層は対流圏と呼ばれ、空気の塊が重力加速度gを受けながらゆっくりと上昇または下降する。今、空気を断熱変化をする理想気体とみなし上昇している空気の塊に着目する。密度ρ の空気の塊が高さだけ上昇すると、圧力はだけ変化する。またρ は1molあたりの空気の質量Mおよび、P,T,Rを用いて ち と表されるので、圧力の変化率は= り という関係を満たす。以上のことから、温度変化率をM,g,γ,Rを用いて表すと、= ぬ となる。


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解答 上空の温度低下率を求めるという問題ですが、後半は誘導通りに式変形するだけです。なお、理想気体を参照してください。

(1)(い) 圧力Pの気体の体積Vが微小体積だけ増加したとき、気体がされた仕事は、 ......[答] (気体が「した」仕事、「された」仕事に注意してください。なお、気体のした仕事を参照)

(ろ) 熱力学第1法則より、
......[答] ・・・�@

(2)(は) 状態方程式: ・・・�A
定圧変化後の状態方程式: ・・・�B
�B−�Aより、 ・・・�C
∴
......[答]

(に) 1molの気体の定圧変化では、 (モル比熱を参照)
また、 (内部エネルギーを参照)と�@より、
さらに�Cより、
∴ ......[答] ・・・�D

(3)(ほ) 断熱変化なので、�@において、より、
�Aより、
�Dより、
で割ると、
より、
......[答] ・・・�E

(へ) 断熱変化後の状態方程式: ・・・�D
両辺をで割ると、
問題文中の近似式を用いて、
∴ ......[答] ・・・�F

(と) �E,�Fより、
∴  ・・・�G
......[答]

(4)(ち) �Aより、 ......[答]

(り) より、

......[答]

(ぬ) (り)の結果を�Gに代入して、
∴ ......[答]


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