波動・音波演習問題(その2)

横浜市大物理'07[3]


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平行な線路上を、上り列車Aと下り列車Bが静止、または逆向きに一定の速さで移動している。列車Bの先頭にある警笛が鳴らす警笛音を、列車Aに乗っている観測者が聞いている場合について以下の問い(1)(3)に答えよ。ただし、列車Bの発する警笛音の振動数を,音速をcとする。列車Aの進行方向と列車Aから見た列車Bの方向とのなす角をθとする。また、音速は列車の速さよりも十分大きく、上下線の線路間の距離は警笛音の波長よりも十分長いとする。
(1) 1のように列車Aが点で静止し、列車Bが速さで走っている場合を考える。
(a) 列車が点Yを通過したときにある波面が出され、点を通過したときに次の波面が出されたとする。このときの距離を求めよ。
(b) とする。点Yより発せられた音波が点に到達してから、点より発せられた音波が点に到達するまでの時間を求めよ。
(c) に比べて十分大きいときには、としてよいことを利用して、観測者が聞く警笛音の振動数cθ を用いて表せ。
(2) 2にように、列車Aが速さで走っていて、列車Bが静止している場合について考える。
(a) 列車Aの速度の方向成分を求めよ。
(b) ある短い時間に、列車Aの観測者が横切る波面の数を計算することにより、観測者が聞く警笛音の振動数を求めよ。ただし、短い時間では、(a)で求めた速さは変化しないとしてよい。
(3) 3のように、列車Aと列車Bが同じ速さで走っている場合を考える。
(a) 列車Aの観測者が聞く警笛音の振動数cθを用いて表せ。
(b) で十分離れていた列車Bと列車Aが、ともに振動数の警笛を鳴らしながら近づき、ある時刻ですれ違い、再び遠方に離れる場合を考える。列車Aの観測者と列車B先頭との水平方向の距離をL,平行な線路間の距離をとする。におけるLとし、より十分大きいとする。
このとき観測者にはうなりが聞こえ、1秒間あたりのうなりの回数は時間とともに変化した。を縦軸、t を横軸とするグラフの概形として正しいものを図4(i)(vi)より選べ。さらにct を用いて表せ。
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長崎大物理'08[3]

次の文章の  に適当な語句または数式を入れよ。
電車の軌道が東西方向に、道路が南北方向にそれぞれ直線的に配置され、交差している。軌道と道路が交差する踏切を原点
Oとし、東西方向にx軸、南北方向にy軸をとる。電車は振動数の警笛を鳴らしながら、西から東の方向へ一定の速度で走行している。いま、電車が原点から東へ ()の位置Qにさしかかっている。ただし、音速はとする。
電車が位置
Qを通過するとき、踏切の位置にいる観測者Aに聞こえる警笛音の振動数は あ であり、とは異なっている。この現象を い という。
電車が位置
Qを通過したあとに、踏切から南への位置Pにいる観測者Bに聞こえる警笛音の振動数は次の手順で求められる。
位置
Qで発した警笛音が位置Pに到達するのに要する時間は う であり、その間に電車は位置まで進み、その移動距離 え である。また、その間に発した警笛音の波の個数は お 個である。位置Pにいる観測者Bに聞こえる警笛音は間に お 個の波が入った音であり、その波長は か となる。したがって、観測者Bに聞こえる警笛音の振動数は き となる。
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北大物理'10年後期[3]

次の文章の (1) から (8) に適切な数式を入れよ。また、 (a) (b) には、mの中から選んで記入せよ。

1 図1のような装置はクインケ管と呼ばれ、Aから入った音は左と右に分かれて進み、再び出会って干渉しBで聞こえる。右側の管は可動で、その長さを連続的に変化させることができる。
Bでの音の強さは、音の波長を,左と右の経路の差をとしたとき、整数mを用いて、 (a) のとき強めあって大きくなり、 (b) のとき打ち消しあって小さくなる。音の周波数がのときに、図1のように右の管をゆっくりと引き出すと距離ごとにBで聞こえる音の強さが小さくなった。このときの波長はXを用いて (1) と表され、音の速さは (2) であることがわかる。次に、右の管を固定して音の周波数をゆっくりと変化させたところ、周波数が変化するごとにBで聞こえる音の強さが小さくなった。音の速さvは周波数によらないとすると、このときの左と右の管の経路の差はf vを用いて (3) と表される。
2 同様の現象は、光を用いても確かめられる。図2で、Pは真空中での波長がの単色光を取り出せる光源、Hは光の一部を透過し一部を反射する半透明鏡、は光線に垂直に置かれた平面鏡である。光源Pからの光線はH2つの方向に分けられた後、それぞれで反射され、再びHを経てQへと導かれ干渉する。装置全体は真空中に置かれ、Hの間には、内側の幅の透明容器Cが置かれている。
最初、
Qにおいて光が打ち消しあって暗い状態からをゆっくりと右方向にだけ平行移動させたところ、Qでの光は,明暗の周期を100回繰り返し暗い状態となった。このときのの移動距離xを用いて (4) と表される。次に、容器Cをある気体でゆっくりと満たしたところ、容器内部の屈折率は1からnへと連続的に増加し、Qでの光は暗い状態からk回の明暗の周期を繰り返し、暗い状態となった。真空中の光の速さをとすると、屈折率nの容器中を光がdだけ進むのに必要な時間は (5) なので、同じ時間内に真空中で光の進むことのできる距離は (6) である。このことから、容器を気体で満たしたことは、真空中での経路長が往復で (7) だけ伸びたことと同等であることがわかる。したがって、気体の屈折率nkを用いて (8) と求めることができる。
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東北大物理'10年前期[3]

1に示すような長さで両端の開いた管(開管)が、z軸上の回転軸に開管の中心が原点と一致するように固定されている。回転軸が矢印の方向に回ることにより、開管はx-y平面内でz軸の正方向から見て反時計回りに回転できる。開管内部には低周波発信器に接続された小型スピーカーが取り付けられている。低周波発信器から適切な振動数の正弦波を小型スピーカーに入力すると、開管内の気柱に両方の開口端が腹の位置となる定常波を作ることができる。定常波を音源とした音は、両方の開口端が出口となり周囲に伝わる。この音の波形は、x-y平面上に置かれたマイクを通してオシロスコープで調べることができる。
床や壁などは、音が通過および反射をしない材質でできているとして、以下の問いに答えよ。解答は、解答用紙の所定の場所に記入せよ。また、結果だけでなく考え方や計算の過程も記せ。


(1) 1のように、開管の中心軸をy軸と一致させて開管を静止させた。低周波発信器の振動数をゼロからゆっくりと増加させていくと、ある振動数になったとき開管内の気柱に基本振動の定常波ができ、開口端から音が響き始めた。この音をx軸上に置かれたマイクを通してオシロスコープで調べた。オシロスコープの時間軸1目盛りの間隔を (ミリ秒)にしたところ、図2で示すような波形を観測することができた。
(a) オシロスコープに表示された波形から、定常波の周期の数値および振動数の数値を求めよ。
(b) 音速がであるとき、図2で観測した音の波長の数値を、有効数字2桁で求めよ。
(c) 開管内の気柱の固有振動のうち、波長がに対応する低周波発信器の振動数の数値を求めよ。
(d) 低周波発信器の振動数をf に固定して、開管内の気柱に作られる定常波の波長をとした。2つの開口端から出た音の干渉を調べるため、マイクをの線上でy軸正方向に移動させた。マイクを通してオシロスコープで測定した振幅とマイクのy座標位置の関係を示す最も適切なグラフを、図3()()の中から1つ選べ。また、そのグラフを選んだ理由を記せ。なお、グラフを見やすくするために、○で示す測定値はなめらかな破線で結んである。

(2) 次に、低周波発信器の振動数を問(1)(c)で求めたf に固定し、開管を角速度ω で回転させた。このとき、回転による開口端の速度は音速Vより十分に遅く、実験室内には風がない。また、開口端外からの音はないものとする。
(a) 開管の中心軸がy軸と重なるとき、2つの開口端はそれぞれの位置にある。このときの時刻をとし、そのときにあった開口端の速度のx成分y成分を、ωt を用いて表せ。
(b) マイクをの長さに比べると開管から十分に離れたx軸上の点に移動した。開口端速度のx方向成分が周期的に変化するため、ドップラー効果により開口端から放出される音の波長もまた周期的に変化する。マイクの位置で観測される音の波長の最小値と最大値を、ωVを用いて求めよ。
(c) 回転する2つの開口端からの音波には、ドップラー効果による振動数のわずかな違いがあるため、うなりが生ずる。振動数の違いは周期的に変わるので、うなりの回数もまた周期的に変化する。マイクの位置で観測されるうなりの単位時間あたりの回数の最大値を、ωVを用いて表せ。
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九大物理'10[3]

無風状態の空気中を伝わる速さの音波について考える。以下の問いに答えよ。

1.文中の空欄にあてはまる数式を答えよ。
3(a)のように点Mに静止している振動数測定器に対して、救急車が直線P上を(ただし、)の速さで近づきながら、一定の振動数の音を出している。すなわち救急車は1秒間にf 個の音波(1波長分を1個と考える)を発している。測定器からの距離がの地点を点Aとする。点Aで発せられた音波が測定器に到達するまでの時間は、 ア である。救急車が点Aを通過後、秒後に点Bに来た。ただし、点Bは点Aと点Mの間にある。点Bで発せられた音波が測定器に到達するまでの時間は、 イ である。測定器が点Aからの音波を感知してから、点Bからの音波を感知するまでの時間は、 ウ となる。時間 ウ の間には個の音波が含まれるので、測定器が測定した音波の振動数は、 エ となる。

2.文中の空欄にあてはまる数式を答えよ。
3(b)のように直線P上にある点Mから測定器を点Oに離した場合を考える。問1と同じく、救急車は直線P上をの速さで左から右に移動しながら、一定の振動数の音を出している。直線P上のある地点を点Cとし、線分OCと直線Pのなす角をとする。救急車が点Cを通過後、秒後に点Dに来た。線分ODの長さをとする。図3(b)のように線分OCに対して点Dからの垂線の足を点Hとする。時間が十分短いとき、角DOCは十分小さいので、線分ODと線分OHの長さが等しいと見なせる。このことを利用すると、線分OCの長さは、 オ となる。点Cで発せられた音波が測定器に到達するまでの時間は、 カ である。測定器が点Cからの音波を感知してから、点Dからの音波を感知するまでの時間は、 キ となる。時間 キ の間には個の音波が含まれるので、測定器が測定した音波の振動数は、 ク となる。

3.問2において、振動数の時間変化を測定器で測定した。測定した振動数の時間変化を正しく表したグラフを、図3(c)の@〜Eの中から一つ選べ。なお、各グラフ中の2曲線は、測定器の設置場所が直線Pから近い場合と遠い場合を表しており、横軸の点は救急車が点Mで発した音波が測定器に到達した時刻である。
次に、測定器が直線Pから遠い場合の曲線は曲線A (実線)、曲線B (破線)のうちどちらであるかを記号で答えよ。

4.実際の救急車は、「ピーポーピーポー・・・・」というように「ピーポー」音を一定の時間間隔で繰り返し発している。問1の図3(a)のように救急車が測定器に近づくときに、測定器に到達する「ピーポー」音の時間間隔をとして、次の関係式の中で正しいものを記号で答えよ。
(A) 
(B) 
(C) 
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横浜国大物理'04[3]

重力加速度をgとして次の問いに答えよ。
(1) 次の文中の空白を埋めよ。
両端が固定された長さの弦にできる定常波の腹がn()のときの波長は (a) と表される。のときの振動を (b) と呼ぶ。弦を伝わる波の速さは、張力Tと弦の単位長さ当たりの質量(線密度)ρとによって (c) と表される。

(2) 同じ材質でできた、断面が円形で直径の異なる針金Aと針金Bがある。
針金Aを用いて、図のように一端を壁に固定し他端には滑車を通して質量mのおもりを付ける。壁と滑車の間の距離はである。その中央を指ではじくと、3個の腹のある定常波ができて、振動数はfであった。
(a) 針金Aの線密度を求めよ。
針金Bについても図と同じ条件で振動させると、同様に3個の腹のある定常波ができた。同様の設定で針金Aと針金Bを二つ並べて同時にはじくと単位時間あたりk回のうなりが観測され、針金Bにおもりをわずかに追加すると、うなりは消えた。この間、針金Bの腹の数は変化しなかった。
(b) おもりを追加する前に針金Bに生じた波の振動数はいくらか。
(c) おもりを追加した後、針金Bについているおもりの質量はいくらか。
(d) 針金Bの直径は針金Aの直径の何倍か。
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北大物理'11年前期[3]

以下の文章中の (1) から (9) に適切な数式または等式を入れ、 (a) (b) には、図3の選択肢から適切な向きを選び記号で答えよ。

1 図1は、波長,周期の水面波を上から見たものである。この波は、y軸に平行な山と谷の波面を持つ平面波として+x方向に進んでいる。その上空に観測者がいて、波を見ていた。
観測者Aが−x方向に速さで進んでいた。波の速さが (1) なので、観測者Aが波の山の上から次の山の上に来るまでにかかる時間(観測者Aから見た周期) (2) となる。
次に、観測者
Bが+x方向から反時計回りに角度α ()の向きに速さで進んだところ、観測者Bからは波が止まって見えた。このときの速さは (3) である。

2 図2のように、水深の異なる領域TとUが直線を境界として接している。領域Tを進んでいた波長,速さの平面波が、境界に入射角θ で入射し、屈折した。領域Uにおける波の速さがであるとき、その波長は (4) となる。屈折角は関係式 (5) により決まる。
次に図3のように、境界を平らな壁とし、同じ入射角θ の波を反射させた。このとき、反射波は入射波と同じ速さで (a) の向きに進む。したがって、入射波と反射波の山の波面が交差する点Aは、 (b) の向きに動く。

3 図4のように、2つのスリットを持つ平らな壁に、波長の水面波が入射角で入射した。波は各スリットから壁の右側に球面波として広がった。各スリットの幅は狭く、以下では幅を無視する。なお、2つのスリットの間隔はで、壁の両側で波の速さは等しいものとする。
壁の右側で2つのスリットから等しい距離にある点Pを考える。壁に達した入射波の隣り合う山と山の壁に沿った距離 (6) であることから、点P2つの球面波が弱め合うためには、m0以上の整数として、スリットの間隔を (7) とする必要がある。このとき、図のように、壁と平行で点Pを通る直線上にあり、点Pからの距離がの点をQとすると、点Qでは波が弱め合っていた。線分PQ上に波が弱め合う点が、点PQ以外にn個あるとき、点Pと壁の距離dnの間の関係は (8) となる。これより、 (9) と求めることができる。
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